39歳「離婚」の親権争いに敗れた男が見た真実 マルチと浮気にはまった妻との調停の果てに

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担当の調停委員は、60代と思しき、頭が固そうな男女だった。子どもたちの親権を取るつもりだった大地さんだが、調停委員は旧態依然とした考え方で、男性の子育てに関してはまったく理解がなかった。

「調停委員は最初から『え? あなたに子どもが育てられるの?』という態度なんです。幼少期は母が育てるものだと当たり前のように言われましたね。60歳くらいのじいさんがそう頭ごなしに言ってくるんですよ。そりゃあ、あなたの時代は、男が外で働いて母が家庭と子育てという家族モデルかもしれませんが、僕らは核家族で共働きで、僕は保育士だし、バリバリ子育てしている。でも、いくら訴えても、まったく通じないんです。法律界はそんな古い社会常識が規範になっているので、本当に、悔しい思いをしましたね」

もし子どもたちの親権を取れたら、昼間大地さんが仕事している日中は、両親が全面的にバックアップして、面倒を見ると両親は快諾してくれていた。しかし、調停員たちは、大地さんが「男」というだけで、全然納得しなかった。

「調停委員に、『日中も自分で子どもの面倒は見るべきでしょ』と言われるんです。昼は、仕事をしているからどう考えても無理ですよね。収入はむしろ、僕のほうが多いんですが、妻は経済的には、義父の援助があり、日中も育てられるというとその主張がそのまま通ってしまった。それまで彼女は、結婚期間は子育てをあまりしなかったと言っても、改心したと言ってますよ、となる。結局、彼らにとって母親が親権を取るのは、出来レースなんですよ」

結局、調停でも妻の言い分が認められ、裁判官は、事務的に親権は母親だと告げた。なぜ、男親というだけで認められないのか――。逆差別ではないのか。あまりに理不尽で非情な裁判所の判断に、大地さんは大きなショックを受けて、崩れ落ちた。親権を争って、さらに裁判まで持ち込むこともできたが、もはや精神的にも肉体的にも、限界が近づいていた。これ以上はもはや争えない――、そう絶望して結果を受け入れるしかなかった。

子どもとは8年間会えず

離婚してからも大地さんの苦難は続いた。

調停では、子どもたちとは、定期的な面会交流の約束があったが、結果としてそれが守られることはなかった。大地さんは何度も何度も、せめて子どもに会わせてほしいと里美さんに懇願したが、次第に音信不通になることが多くなり、しまいには、住所も変わってしまい、どこに住んでいるかもわからなくなった。そのため、大地さんは、この約8年間つい最近まで子どもと一度も会えなかった。

それでも、大地さんは毎月養育費を支払い続けてきた。毎月1人当たり3万円で、計6万円。これまで一度も滞ったことはない。そして、片時も子どもたちのことを忘れたことはなかった。

「子どもの成長はFecebookにあげるから、そこで見ればいいんじゃない?」

数年ぶりに、気まぐれで連絡があった里美さんから一方的にそう告げられると、大地さんは、毎日、スマホの画面越しに子どもの成長を食い入るように見つめる日々が続いた。里美さんのFecebookページには、子どもたちのことだけでなく、里美さんのプライベートな男性関係が書かれていることもあった。里美さんは、大地さんと離婚後、別の男と結婚と離婚を繰り返していた。もしかしたら経済的にも困っているかもしれない、逆にここがチャンスだと思った。

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