平壌でビッグマックを買えるのは、まだ先だ 外資泣かせ、また失敗を繰り返すのか

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 6月22日、韓国からロシア、中国に至る各国企業が、北朝鮮巡る緊張緩和による利益を得ようと模索しているが、これまで何百件もの合弁事業が失敗に終わったことを考慮すれば、この国が世界も高リスクの投資先だということを物語っている。写真は2016年、平壌で2016年撮影(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

[ソウル 22日 ロイター] - 2000年に最初の南北首脳会談が行われる数カ月前、韓国サムスン電子<005930.KS>は、平壌の有力なコンピューター研究施設に73万ドル(約8000万円)を投資した。

北朝鮮のプログラマーたちは、自国外でサムスンが販売するチェスのオンラインゲームと料理レシピを開発する予定だった。

その後、南北関係の悪化を受けてサムスンはこの事業から撤退。当時の研究施設「朝鮮コンピューターセンター」は昨年、北朝鮮の核兵器開発プログラムに貢献したとしてブラックリスト入りした。

最もリスクの高い投資先の1つ

現在、韓国からロシア、中国に至るまで、各国企業が北朝鮮政府との緊張緩和による利益を得ようと模索しているが、挫折に終ったサムスンの平壌事業を筆頭として、何百件もの合弁事業が似たような失敗に終わったことを考慮すれば、北朝鮮が世界で最もリスクの高い投資先の1つであることを如実に物語っている。

それにもかかわらず、シンガポールで開催されたトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による歴史的な米朝首脳会談の数日前に、ソウルで開催された北朝鮮での投資機会についてのカンファレンスには、約600人の参加者が足を運んだ。

韓国最大の企業グループで建設部門を担うサムスンC&Tコープ<028060.KS>では、鉄道建設など想定されるプロジェクトを検証するため、5月に特別チームを立ち上げたと、同社の関係者は語った。

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