ローソン、中国攻勢に向けた「高いハードル」 店舗網は拡大中だが、中国全体では赤字続く

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09年からは海外戦略の大幅な見直しに着手。11年には現地企業から経営権を取り戻し、ブランドの再構築に乗り出した。現地幹部や従業員の研修制度を整備したほか、商品面ではパンやデザートを看板商品に据える戦略が奏功。14年からは現地の小売り大手が加盟店になり、店舗網拡大のきっかけとなった。

軌道に乗りつつあるローソンの中国事業だが、今後の成長に向けては不安もいくつかある。一つ目は出店加速に向けた体制構築だ。中国には約10万店のコンビニがあるが、日系コンビニのシェアは大手3社を合わせて10%にすぎない。ローソンが目指す2万店に向けては、弁当などを製造する中食工場の新設や物流網の構築が不可欠だが、主力の上海周辺以外では十分なインフラが整っていない。

単独出資ゆえの懸念

また、セブンやファミリーマートがパートナー企業と進出している一方、ローソンが単独出資で中国事業を展開する点を懸念する声もある。JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは「単独出資での出店拡大は限界がある。出店の認可を得るのは難しい」と指摘。ローソンの三宅示修(もとのぶ)・中国事業本部長も「外資が目立つと(政府に)何をされるかわからない」と話す。

長らく赤字だった中国事業だが、17年の大連に続き、18年は上海で黒字を見込む。ただ、中国全体の黒字化は19年以降になる見通しだ。

5月下旬の株主総会では「20年間も中国でやって全然儲かっていない。撤退したらどうか」と、厳しい声が飛んだ。ローソンの経営陣には戦略を示すことだけではなく、結果が求められている。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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