「生徒が先生をディスる道徳授業」の衝撃効果

ネット炎上を疑似体験させる中学校長の狙い

そもそも、筆者が「大炎笑」を道徳授業の教材として導入したきっかけは、一本の電話であった。「大炎笑」を企画した担当者から「生徒にゲームを体験してもらい、感想を得られないか」という依頼があった。

筆者は、子どもたちのスマホ・ネットに関わる情報モラル・リテラシーの啓発指導を6年前から活発に行っている。

加えて、本校ではTwitter、LINE、InstagramなどのSNSを教育活動、学校経営で活用し、情報収集や編集・発信を精力的に行っている。

さらに、生徒会を中心に全校生徒によるLINEスタンプ制作やYouTube動画配信なども展開している。

こうした筆者の活動を知っている共通の知り合いに担当者が「やってくれそうな学校はないか」と相談したことから、筆者が校長を務める本校に白羽の矢が立ったのだった。

「大炎笑」を使った授業を楽しむ生徒たち(写真:越谷市立平方中学校)

学校はもっとフレキシブルに!

筆者は、OECD(経済協力開発機構)の教育局が提示する「相互作用的に道具を使いこなす力」「異質な集団の中で交流する力」「自立的に活動できる力」の3つの21世紀型スキルこそ、これからの社会で子どもたちが身につけるべき力だと考えている。

ここで言う「道具」とは、学力はもとより、言語や、スマホをはじめとしたICT機器も含まれる。これらを使いこなしながら、相手と上手に交流し、自分の居場所を作りながら生きていける力が必要なのである。

「大炎笑」を使った授業づくりは、まさにこの21世紀型スキルを身につける格好の機会だと思う。こうした素材がもっともっと我々に身の回りにあると、未来を担う子どもたちの生きた力を磨けるのだが……。

学校、教師だけで子どもを教育していくのは、ますます難しい時代である。企業はもとより、技術や知識豊富な学校外部の力、支援、連携の注入が必要な時代である。

学校は、もっともっとフレキシブルな感覚を高め、胸襟を開く姿勢も持たないといけない時代なのだろう。

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