北朝鮮にとって「米国との融和」は自殺行為だ

リビア・イランの非核化から見えて来る未来

欧米諸国はこうしたイランの姿勢に対し、経済制裁を決定、合意に至る2015年7月まで制裁を続けた。だが、合意は、トランプ大統領にとって核開発の「一時停止」でしかなかった。経済制裁を解除したらイランは国力をつけて再びアメリカに挑戦する、そう考えたのである。

その意味で、トランプ大統領は、北朝鮮との「ディール」ではイランと折衝を重ねた前オバマ大統領と同じ轍を踏まないと考えているのだ。

欧米に翻弄されたリビアとイラン

そもそも、リビアとイランはなぜ、アメリカと敵対したのだろうか。

オスマン帝国配下にあったリビアは、イタリアの支配下に入り、第2次世界大戦では連合軍と枢軸軍の戦場となった。終戦後の1949年、国連の管理下に入り、1951年12月、土着のイスラム信仰を主張するサヌーシー教団の始祖サヌーシーの孫であるイドリス1世を元首とする王国として独立する運びとなった。しかしこれはアメリカによる事実上の傀儡で、当時北アフリカ最大であったウィラス米軍基地の存続を許し、石油の利権も米系メジャーに握られたままだった。

このような情勢下、1969年9月、ムアンマル・カダフィら青年将校が国王をクーデターで追放、カダフィを議長とする革命指導評議会がリビア指揮を執ることになった。この「カダフィ革命」(緑の革命)は、国富の流出を止め、直接統治を基礎とする人民革命を宣言したこともあって、民衆に受け入れられた。

対外的には、これまで帝国主義に蹂躙されてきたリビア以外の第三世界にも連合を呼びかけ、不平等に適用される国際法と、それを都合よく解釈して行動するアメリカを中心とした国際政治の偽善や横暴を糾弾することに力を注いだ。同政権は、パレスチナ解放機構(PLO)や、北アイルランドのIRAなど民族解放運動を支援、欧米諸国と敵対関係になるのである。

イランも、リビアと極めて似通った歴史を持つ。欧米諸国は第2次大戦以前からイランで傀儡政権を樹立し、石油資源を吸い上げていた。皇帝(シャー)は欧米を後ろ盾として、巨万の富を築いた。またその反動で1979年「ホメイニ革命」(イスラム革命)が起きると、アメリカはイスラム革命勢力に公然と敵対、1980年から始まるイラン・イラク戦争でイラク側につき武器を売るなど、イランの民衆を無視して数々の悪事を重ねていた。

両国は革命以後、ともに石油で得た収入を軍事予算に回し、軍備の増大をはかった。このことは当然、アメリカはじめ西側諸国にとっては脅威と映った。

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