31歳でプロ野球を去った夫を変えた妻の覚悟 自ら稼ぐ力をつけ失意の男を厳しく鼓舞した
年俸は1000万円にアップ。そして、結婚2年目には、長女が誕生。彩子さんは、プロ野球選手の妻として、家庭を守り幸せを噛みしめていた。
広島での活躍に、妻・彩子さんは周囲に感謝するとともに、この状態がずっと続けばいいと思っていた。
妻の願いを打ち砕く、プロ野球選手の厳しい現実
しかし、夫・剛さんは、レギュラーを取るまでには至らず広島に来て4年目、またしても、シーズン途中でオリックスへトレードされた。プロ野球選手は結果がすべて。どんなに頑張ろうと成績を残せなければ何が起きても不思議ではない。そんな厳しい現実を、妻・彩子さんは、このとき、身に沁みて感じた。
「プロの世界はいつか終わりが来るので、そのことを踏まえた上で結婚はしていたのですが、だんだん現実的になってきて、そろそろ考えていかないといけないと思いました」(彩子さん)
「何か、自分にできることはないのか?」
彩子さんが考え抜き思いついたのが洋服を作り、それを売ること。とはいえ、それは簡単なことではなく、どんな服を作ればいいのか思い悩んでいたとき、1つのアイデアが、浮かびあがった。それは、ママでもおしゃれできる服だ。
子供が大きくなるにつれ、スカートや露出の多くなる短いトップスが着られなくなるという自身の経験から思いついた。そのアイデアを実現しようと、彩子さんは、女子大生のときにやっていた読者モデルで蓄えたわずかな資金を元手に、小さな事務所を借りて1人で起業した。
幼いわが子を背負いながら、デザインから販売まですべて、1人でこなす日々。店舗は構えずホームページを開設し、インターネットに自分が作った服をアップして販売することにした。いわゆるネット通販である。
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