ミレニアルに続く「Z世代」の心を掴むには? 1997年以降出生の6800万人の多様な消費

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その上で同氏は、Z世代へのマーケティングに成功した点を理由の1つに挙げて、アメリカン・エキスプレス<AXP.N>とディスカバリー<DISCA.O>などの株を保有している。

ピュー・リサーチによると、来年にはミレニアム世代とZ世代の合計が人口集団として最大規模になる。

両世代ともに自宅にコンピューターが常に存在する環境で育ったとはいえ違いもある。Z世代からすると、2001年9月11日の米中枢同時攻撃当時はまだ記憶がないほど幼く、アップル<AAPL.O>が最初のiPhone(アイフォーン)を発売した際でもまだ10歳以下で、インターネット接続の主な手段はもはやモバイル端末となっている。

こうした特性が販売側にとって特別な課題となる、と指摘するのは南カリフォルニア州大学のステファン・ポラック教授(広告報道)だ。「ミレニアル世代もモバイル端末を使うが、彼らは従来の販売チャネルやメッセージにも反応してくれる」という。

豪華さより値ごろ感に重点

その結果としてZ世代に直接軸足を置く企業は、マーケティング手法を変えざるを得なくなった。大学生向け住宅を開発・管理するエデュケーション・リアルティー・トラスト<EDR.N>は、アラバマ州タスカルーサなどの地域で販売活動予算を19%増やすとともに、深刻な景気後退期に成長した世代の学生に対して豪華さより値ごろ感に重点を置いた売り込みを行っている。

同社のクリスティン・リチャーズ最高執行責任者(COO)は「われわれの顧客はミレニアル世代からZ世代に交代しているので、販売戦略を修正した」と説明した。

コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア・ポートフォリオマネジャー、マシュー・リトフィン氏は、中小企業のアプリを大手並みに強化するサービスを提供しているQ2ホールディングス<QTWO.N>やマインドボディ<MB.O>といったソフトウエア企業への投資を拡大している。

リトフィン氏は「今はゲーム世代でだれかと会話するのを好まない。もし日々の商売をモバイル端末のゲームのように仕上げられるなら、この世代の『食いつき』は良くなる」と述べ、ドミノ・ピザがいち早くオンライン注文に投資して今や売上高の6割強を占める状態になった事例を示した。

同氏によると、その企業がモバイル端末用アプリに関してどんな計画を持っているかが、コロンビアにとって投資先にするかどうか判断する1つの基準になりつつあるという。

(David Randall記者)

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