京急×東大タッグ「三浦半島振興」研究の中身 「ユーザー像」を作り込み地域の魅力発掘

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一方、東大側はどのような印象をもったのだろうか。安斎特任助教はこう語る。

東大・安斎特任助教。ワークショップ用のスタジオ前にて(筆者撮影)

「今回面白かったことは、京急電鉄グループの人たちの変化だ。1回目と比べると、議論への参加の仕方が変わった。グループディスカッションでも京急電鉄グループの人が(自ら)ファシリテートしているところもあった。最終的には京急電鉄グループ側がアウトプットまで出すという能動的な変化があって面白かった。また、京急電鉄の懐の深さも感じた。通常はこういった企業とのワークショップでは守秘義務が強く、SNSに投稿するといったことはできない。しかし、今回は様々なことに関してオープンにすることを許可してもらえた」

また、今回安斎特任助教が招いた異分野のメンバーの1人、地理人研究所の今和泉隆行代表は今回のワークショップについてこう語る。

「三浦半島は元々十分観光地として成り立っている場所だ。しかし、神奈川県には箱根や鎌倉をはじめ強力な観光地がいくつもあり、競合がありすぎて、差別化を図らなければならない。でも逆説的に言えば三浦半島は新しいことができる先進地域でもある可能性が眠っている。今回のワークショップを通じて三浦半島に関する様々なことを可視化しつつ、共有して議論を深めるところで、京急電鉄グループのメンバーが三浦半島への認識を深めただけではなく、私にとっても新しい発見があった」

このように東大側のメンバーにも今回のワークショップは大きな刺激となったようだ。

今回のコンセプトをどう生かす?

さて、京急電鉄グループは今後、三浦半島でどのような施策を展開していくのだろうか。

「三浦Cocoon」のロゴ(京浜急行電鉄提供)

「三浦半島には(建設から)30年経ったグループの施設があり、リノベーションや建て替えといった再整備をするにあたって方向性を真剣に考える時期に来ている。また、ほかにも有効活用できる土地があれば積極的に新たな三浦半島の魅力をつくることも考えている。今後もエリア勉強会は継続していき、議論だけではなく、沿線外に積極的にPRしたいと思う」(齋藤課長補佐)

このように、今後も三浦半島エリアの地域振興に今後ますます力を入れていくことになる京急電鉄グループ。まずは7月にコンセプトを体現するイベント「三浦Cocoon」を開催することで、どのような成果や新しいニーズが見えるのかが注目だ。そして今回じっくりと議論を重ねて作られたコンセプトやつながりを生かして、開発やイベントといった施策を行うのか。これから京急電鉄の手腕が本格的に問われることとなる。

鳴海 侑 まち探訪家

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なるみ ゆう / Yu Narumi

1990年、神奈川県生まれ。大学卒業後は交通事業者やコンサルタントの勤務等を経て現職。「特徴のないまちはない」をモットーに、全国各地の「まち」を巡る。これまで全国650以上の市町村を訪問済み。「まち」をキーワードに、ライティングをはじめとしたさまざまな活動を行っている。最新の活動についてはホームページ(https://www.naru.me/)やX(旧・Twitter、https://twitter.com/mistp0uffer)で配信中。

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