京急×東大タッグ「三浦半島振興」研究の中身 「ユーザー像」を作り込み地域の魅力発掘

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そもそも、京急電鉄はなぜ三浦半島エリアで地域振興を行おうとしているのだろうか。

京急電鉄は自社の看板列車「快特」で、品川から終点の三崎口までを昼間は1時間強で結ぶ。三浦半島はこのように都心から近い好アクセスのエリアであるが、いま人口減少が問題となっている。三浦半島最大の都市である横須賀市では、1990年代前半の43万人台中盤をピークに人口が減り続け、現在は40万人前後で推移している。全市的な現象ではあるが、社会増減を見ると市南部の人口流出が目立つ。さらに南にある三浦市も1995年には約5万4000人だった人口が約4万3000人(2018年5月)まで減っている。

こういった現状に対し、京急電鉄では以前から定住人口を増やす取り組みを行ってきた。しかし、人口減少には歯止めをかけられずにいる。「地域が沈めば地域の公共交通を担う京急電鉄グループも一緒に沈む」。これが京急電鉄の中にいまある危機感だ。

グループ会社を巻き込んだ勉強会

そこで、京急電鉄は取り組みの方針を転換することにした。交流人口を増やし、その一部を定住人口に変えていこうというのだ。三浦半島エリアの地域振興のために2016年11月には三浦半島エリア勉強会を組織し、若手・中堅社員でメンバーを構成した。

ワークショップの様子。京急電鉄側・東大側共にメンバーは若く、話も盛り上がりやすい(筆者撮影)

「勉強会はどうしたら三浦半島に人を呼び込めるかを中堅と若手で考えてやってみようという声が京急電鉄の本社で上がったところから企画された。しかし、本社だけでやっても現場を知らない人間が勉強会・企画をすることになる。それでは三浦半島で求められているものがきちんとできないのではないのかという懸念から、三浦半島で事業をしているグループ会社を巻き込み、本社とグループ会社の若手・中堅社員で勉強会を始めた」(京急電鉄生活事業総本部三浦半島事業開発部・齋藤優課長補佐)

三浦半島エリア勉強会での2~3回の議論を経て、三浦半島の魅力や課題が上がってきた。そして、勉強会ではディスカッションだけではなく、他社と協力してPR活動も行った。2017年度は西武鉄道と連携し、同社沿線の埼玉県秩父市にある西武秩父駅に併設された「祭の湯」で三浦半島をPR、逆に秩父のPRを京急沿線の京急百貨店で行うという施策を行った。

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