「宇宙から見た都市」の何ともすさまじい絶景 フォロワー60万のインスタグラマーが映す

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●オルドスのゴーストタウン(中国)

(画像:Source imagery from DigitalGlobe, Inc.)

中国オルドス市は世界最大のゴーストタウン(中国語で鬼城)であると言ってまちがいないだろう。過去10年、数々の宅地建設のプロジェクトによって住宅が増え、受け入れ人口は100万人以上に膨れ上がった。ところが2016年の報告によると、新しい建物にはわずか2%しか入居者がなく、その他の建設プロジェクトも放棄されているという。この画像に写るカンバシ新区には、真新しくモダンな設計の文化的アトラクション施設が数多くあるが、明らかに車がほとんど走っていない。

●パリ(フランス)

(画像:Source imagery from DigitalGlobe, Inc.)

フランスの首都パリの中心部の街路図と特徴ある景観は、大部分が1853年から1870年にかけて皇帝ナポレオン三世が命じ、ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンが監督した大規模な公共事業プログラムによるものだ。オスマンが行った改築には、中世からの過密で不衛生な地域を取り壊すことから、広い放射状の大通りや大小の公園、下水道、噴水と送水路の建設などがある。

緊急の課題は「都市圏の人口増加」

日本では少子高齢化による人口減少につい注目が集まりがちですが、世界基準でみると、より緊急の課題として挙がるのがじつは「都市圏の人口増加」です。

たとえば中国では、今後10数年の間に地方から2億5000万人もの人口を大都市圏に移すという野心的な計画が立てられています。この計画が進めば、2025年には9億人の中国人が都市部に住むことになると言われています。

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多くの人にとって都市に住むことが当たり前になるにつれ、都市自体のインフラも、住民たちのニーズに応じるべく、新たな負担に備えていかなければなりません。

人口の分布が大きく変わっていく未来に向けて、限られた空間の中でどのような「住みか」を形作っていくべきか――すなわち「都市計画」は、住む側の当事者である私たち一人ひとりにとっても決して無関係の話ではありません。

地球の“表面”で見ている「いつもの視点」から切り離されることで、人は物事を異なる角度から見ることができるようになります。人類が造り出した建物の複雑さや、開発した場所の入り組んだ様子、そして地球に与えている影響の大きさを深く理解し、この世界の“本当の姿”に一歩迫ることができるのです。

ベンジャミン・グラント アーティスト、写真家

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Benjamin Grant

フォロワー数60万人を超える人気インスタグラムアカウント「デイリー・オーバービュー」の開設者。無数の高解像衛星写真をキュレーションし、つなぎ合わせることにより、1000点以上のオリジナル写真作品を制作。2013年12月のプロジェクト立ち上げ以来、日々写真の更新を行い、世界中の人々を楽しませながら社会的な問題意識を投げかけてきた。地球上の景色を新たな視点から眺めるだけでなく、人間が地球におよぼす影響の大きさを改めて実感してもらうことを目指している。ニューヨーク在住。交通手段は自転車。

「デイリー・オーバービュー」公式サイト:www.dailyoverview.com

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