首都圏の鉄道、沿線人口の増減率ランキング 1位は田園都市線、ワースト路線はどこだ?
東京急行電鉄の担当者から興味深い話を聞いた。「人口予測は変えられます。努力次第で人口減少を数年先に遅らせることができるのです」。
東急が作成した人口見通しによれば、東急沿線17市区の人口は2020年をピークに減少に向かう。一方で、1都3県の人口のピークは2015年。つまり、首都圏の人口が減少に転じても、その後5年間は東急沿線の人口は増え続けるというわけだ。殺人的な電車の混雑はさておき、沿線価値向上に向けた東急の長年にわたる企業努力が実を結んだといえる。
東急は田園都市線が1位、東横線は7位
ちなみに東急の人口見通しは国立社会保障・人口問題研究所が2013年に作成したデータを基にしているが、東京都が2015年の国勢調査を基に昨年11月に発表した人口推計によれば、東京都の人口のピークは2025年で、2014年に作成した人口推計から5年後にずれ込んだ。
マンション開発が進み、都心部への人口流入が増えたことが影響したようだ。だとすると、最新データを基にすれば、東急沿線の人口がピークとなるのも5年程度先送りになっている可能性がある。
東急は首都圏の人口が減少に転じてもしばらくは人口が増え続ける路線だが、では、ほかの鉄道路線はどうか。国土交通省はJRや私鉄の各路線を22に分けて、それぞれの路線の沿線人口が2005~2035年の30年間にどのように変化するかを分析したリポートを2012年に発表している。
それによれば、夜間人口(常住人口)増減率のトップは東急田園都市線。2035年の夜間人口は2005年と比べて20.7%増えるとされている。同じ東急でも東横線は第7位で1.6%増にとどまる。つまり、東急沿線の人口成長を支えているのは田園都市線ということができる。
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