首都圏の鉄道、沿線人口の増減率ランキング 1位は田園都市線、ワースト路線はどこだ?
2位は山手・メトロ沿線の10.4%。山手線沿線という抜群の立地にタワーマンションが続々と建設されている。高額にもかかわらず人気が高いのは、夫婦の所得を合わせると手が届く、夫婦共働き世帯を中心に売れているからのようだ。山手線沿線やメトロ沿線は交通利便性が高い点で、子育て世帯に支持されているようだ。
3位以下は京王線8.9%。京葉線・外房線・内房線5.8%、埼玉高速線3.7%、東葉高速線2.1%と続く。これに7位の東横線を加えた路線が、2005~2035年の30年間で夜間人口が増えると予想される路線だ。
8位の西武新宿・拝島線(マイナス0.7%)からの15路線は、すべて夜間人口が減ると予想されている。小田急線、中央線、東海道線といった人気路線も人口減を免れない。
なお、20位以下はTX線・常総線がマイナス14.4%、常磐線がマイナス18.4%、日比谷線・東武伊勢崎線・日光線がマイナス23.4%となっている。
生産年齢人口がプラスの路線はわずか
続いて、2005~2035年の30年間における生産年齢人口の増減率を見てみよう。生産年齢人口とは、労働力の中核を成す15歳以上65歳未満の人口を示す。
増加率トップはやはり田園都市線で6.0%。2位は山手・メトロ沿線で3.7%。夜間人口増加率に比べ生産人口の増加率が低いが、子供の数が伸びているとは考えにくいので、高齢者の人口が増えているということなのだろう。
生産年齢人口がプラスとなっているのは田園都市線と山手・メトロ沿線のみで、残りの路線はすべてマイナスだ。ワースト1位の日比谷線・東武伊勢崎線・日光線はマイナス36.1%となっている。
では、東武伊勢崎線には将来性がないのかというと、決してそんなことはない。東武鉄道は曳舟駅や北千住駅、獨協大学前駅に保育施設を開設する計画があり、草加駅や新越谷駅では駅ビルの改装を進めている。
昨年11月からは5編成の「クレヨンしんちゃんラッピングトレイン」が走っている。伊勢崎線だけでなく、相互直通している東京メトロ半蔵門線や田園都市線でも走っており、運行開始から半年経った今も、列車を見掛けると写真を撮る人が少なくない。「春日部に来て魅力を知ってもらい、できれば住んでくれればうれしい」(東武)。
また、東京メトロ日比谷線と伊勢崎線で相互直通運転される東武70000系という新型車両も導入。スタイリッシュなデザインが沿線のイメージアップに貢献するかもしれない。
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