「自動車革命」は日本半導体のカミカゼになる

「ソニー、東京エレク、東芝」巨大投資の背景

半導体市場は、いよいよ100兆円市場の時代が見えてきた(写真:LongHa2006/iStock)
この時代において、1年間で36%も成長する市場などあるのか。そのミラクルな成長神話を築いているのが、半導体装置市場である。2017年の同市場は約560億ドルと、前年比36%増で過去最高を記録したのだ。
この背景にはIoT時代を迎えて世界経済の牽引役となってきた半導体の需要急増がある。すなわちデータセンター向けのフラッシュメモリー、DRAMなど半導体メモリーが急成長しており、これに対する供給は著しく逼迫している。また一方でエコカー、自動運転、コネクテッドカーなどのIoT化が進む自動車向け半導体の急成長が確実となっていることもあって、当面この活況は継続していく見通しなのだ。
世界全体の半導体設備投資も2018年は過去最高の10兆円に達する見込みであり、この投資ラッシュを支えるキーワードはIoT/車載にあるといえるのだ。
40年近くにわたって半導体報道にかかわり、この分野で業界最古参のカリスマ記者と称される泉谷渉氏が近著『日本vs.アメリカvs.欧州 自動車世界戦争』の中で半導体100兆円時代の到来および次世代自動車がもたらす半導体インパクトを徹底取材。ここでは、IoT/車載を追い風に成長する日本の半導体産業の活況を展望する。

半導体はついに100兆円の巨大市場へ

IoTブームの到来が半導体産業に一大インパクトをもたらしている。IoTによって出現する新市場は、2025年に2300兆円にもなると予測するのは中国のファーウェイである。

『日本vs.アメリカvs.欧州 自動車世界戦争 EV・自動運転・IoT対応の行方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

これはさすがに大げさであるにしても、データ生成量は現在の10ゼタバイトから18倍の180倍ゼタバイトにもなるといわれ、自動車はほぼ100%がIoTにつながっていくという。また全世界の90%の人は何らかの形でAIを使うようになるとも予想されている。そうした状況下で現在約50兆円となっている半導体市場は、いよいよ倍増の100兆円市場の時代が見えてきた。

IoT革命がほぼ完成する頃には世界中で45億個のセンサーが必要になると思われる。電子機器以外にも橋、トンネル、道路、病院、学校などに膨大な送受信センサーモジュールが必要になってくる。さらには机、いす、スーツ、ブラジャーなどもネットがつながってくる。

一方でIoTはすべての自動車をコネクテッドカーおよびエコカーにかえていく。車載向け半導体は現状で1台3万円程度しか使われていないが、EVになれば10万円、コネクテッドカーになれば30万円以上になってくることはまちがいない。

自動車は年間1億台を出すという大型商品であるから、これがIoTにより変化してくれば車載向け半導体は現在の10倍の規模に膨らんでくるのだ。

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