骨太が社会保障費の抑制目標を書かない事情

景気腰折れを懸念、財政赤字の膨張も

 6月5日、経済・財政政策の運営スタンスを示す今年の「骨太方針」は、予算の中で最大の支出項目である社会保障費について、抑制目標の明記を見送った。都内で昨年12月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 5日 ロイター] - 経済・財政政策の運営スタンスを示す今年の「骨太方針」は、予算の中で最大の支出項目である社会保障費について、抑制目標の明記を見送った。また、基礎的財政収支(PB)黒字化達成の時期も5年延期され、財政赤字の膨張を危ぶむ声が民間エコノミストの一部から出ている。政府内では歳出拡大派と財政再建派の攻防が最後まで続いたが、景気腰折れを懸念する首相周辺と財政拡大派の事務方が押し切った格好だ。

押し切った財政拡張派

今回の「骨太方針」で特徴的なことは、社会保障費を年間5000億円程度の増加ペースに抑制するという目標値がなくなり、それに代わる数値も盛り込まれなかったことだ。

財政拡張派が押し切ったかたちだが、ここに落ち着くまでには、財政健全派と財政拡張派の激しいつばぜり合いがあった。

今年5月、ある経済官庁幹部は「歳出抑制の具体的な目標額を記入するのかどうか、まだ、もめている」と述べ、政府内で歳出抑制ペースを巡り激しい駆け引きが展開されていたことを認めていた。

最大の焦点は、2016年度から18年度までの3年間に、一般歳出抑制目標を1.6兆円、最大費目である社会保障費の増加幅を1.5兆円と定めていた歳出枠を19年度以降にどうするか──ということだった。

経済財政諮問会議の民間議員である榊原定征・経団連前会長は「わが国の財政健全化への道筋が不透明であることが、国民の不安を惹起(じゃっき)している。今後3年のいわゆる基盤強化期間の社会保障関係費は、これまでの目安以下とすべき」と繰り返し主張してきた。

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