KDDIは「Netflixパック」に何を期待したのか 髙橋社長が明かした「5G戦略」の詳細
ーーネットフリックスのバンドルパッケージは、これまでソフトバンクが販売してきた。今回、KDDIが始めるにあたって、たとえばモバイルサービスとのバンドルに関して独占的に組む、などの条項はありますか。
契約内容に関しては話せませんが、双方ともに相手方の事業を制限する提携ではありません。今後ともソフトバンクはネットフリックスを販売していくと聞いています。
一方でモバイルサービスとのバンドルに関しては、「KDDI以外に提供する計画はない」とも聞いています。ただし、ネットフリックスは米国、英国、オーストラリアなど複数地域で携帯電話キャリアと提携をしていますが、現時点で複数キャリアと同時にこうしたプログラムは展開していません。
提携に「お得感」以外の意味はある?
ーー消費者の視点からみて、「お得感」以外に提携の意味はありますか。
将来、5Gネットワーク時代になると、単にインフラとして通信プラットフォームを提供して「使ってください」ではなく、アプリケーションを提供する各社とよりよいサービスとは何か、掘り下げて顧客価値を生み出してく必要があります。
5Gについては「大容量」「低遅延」「多接続」といった特徴を、すべての事業者が一様に話しますが、もう1つ「ネットワークスライシング(ネットワークを仮想的に分割し、適応アプリケーションごとに要件が異なる帯域、遅延、信頼性、セキュリティなどに合わせた通信サービスを提供する技術)」が重要になってきます。価格や品質などをどう最適化するのか。つまり顧客価値を最大化するにはエンドユーザーとの接点となる事業者とともにサービスを作っていかなければなりません。
現在はまだ4Gの時代ですが、消費者が求めるアプリケーションがあるとき、それをキャリアとして囲い込むのではなく、「KDDIで使うことが一番いい」と感じてもらうことが重要です。
今回のようなバンドルプランですが、品質の面でもできることはあります。実際、ネットフリックスにしてもフェイスブックにしても、通信回線ごとの「接続しやすさ」についてアナウンスしていますから、パートナーシップを築いたうえでサービス品質を上げるといったことは4Gネットワークの現在でも取り組めます。
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