企業クラウドで急伸 「ボックス」って何者?

異色の起業家率いるサービスが日本進出準備中

8歳からビジネスに興味

レヴィとはどのような人物なのか。カリフォルニア州ロスアルトス市にある本社で会ったレヴィは白髪交じりではあるが、元気がよく落ち着きのない若者だった。

ボックスの本社は、グーグル本社から車で約8分の場所にある。入り口には巨大な黄色の滑り台やスクーターが置かれており、典型的なシリコンバレーベンチャーだ。

メーガン・ヒューズ上級広報部長によると、900人ほどいる社員は カリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学出身者が多く、グーグル、オラクル、マイクロソフトなどで働いた経験を持つ人材も多い。レヴィの評判は高く、某企業比較サイトによれば、社員からのCEO支持率は97%にも及ぶ。

彼はいわゆる学歴エリートではなく、高校生の頃からベンチャーを起業し、試行錯誤を続けてきた苦労人だ。そんなところが多くの人の共感を集めているようだ。

レヴィは「8歳の頃にはビジネスを行っていた」と言う。当時住んでいたシアトル郊外の高級住宅地マーサー島で、ビラを配り、ペットの世話、庭の草取りでお金を稼いだ。彼の両親は父が化学者、母が病理学者。学者一家にもかかわらず、本人はビジネスが大好きで高校生の時には15もの起業を行ったという。

南カリフォルニア大学でも起業へのチャレンジを続けた。高校の同級生で東海岸のデューク大学に進んだディラン・スミス(ボックスの共同創業者で最高財務責任者)と連絡を取り合い、アイデアを交換。学生向けのソーシャルメディアやロサンゼルス近辺のイベントを掲載するサイトを始めたが、うまくいかなかった。こうした経験を経てたどり着いたのが、企業向けファイル保管サービスだった。

「当初、資金集めには本当に苦労した」。レヴィは約25社のベンチャーキャピタリスト(VC)に電話して売り込んだが、レヴィもスミスも、まだ20歳そこそこ。「中学生に見えるほど若かった」ため、投資してくれるVCは皆無だった。そこで、レヴィはABC局の事業投資番組「シャーク・タンク」に出演中の億万長者マーク・キューバンに手紙を送り、35万ドルを手に入れた。レヴィとスミスは大学生活を切り上げ、その小切手を手にシアトルからシリコンバレーに向かった。

創業翌年の2006年には老舗VCのドレーパー・フィッシャー・ジャーベットソンから150万ドルの投資を受け、これまでに総計3億ドル以上の資金を調達した。

苦労の過程で人脈の重要性は身にしみている。彼は、ネットスイートCEOのザック・ネルソン、セールスフォース・ドットコムCEOのマーク・ベニオフなどシリコンバレーのエグゼクティブたちと親しく交流している。彼ら先輩たちに「少しお時間をください。相談をしたいことがあります」と電子メールで頼み込み、実際に会って教えを請うのだ。顧客を第一にしろ、なるべく現場を回れ、などのモットーは先輩経営者から学んだという。

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