新車販売「脱・値引き」はどこまで定着するか ネット活用が進まない業界が抱える課題

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

BMWは、営業をしない車両説明員(BMWではジーニアスと呼ぶ)を置き、購入を前提としなくても消費者は聞きたいことを自由に尋ねることができる空間として、BMWグループ東京ベイを東京・青海に開設した。ここではBMWとMINIの試乗車を豊富にそろえ、近隣を試乗できる。

企業やブランドの印象だけでなく、実車を目の当たりにしたり、乗り込んでみたり、試乗したりという体験の場を増やす取り組みが行われている。

インターネットを活用した販売の取り組みは

インターネットを活用した販売の取り組みでは、ボルボスタジオ青山が試験運用を行っている。この拠点のみ限定となるSMAVOリースプログラムは、オンラインの注文によりリース料金を支払うだけで、ケア・バイ・ボルボという付帯パッケージが設定され、一般的な保証のほかに、点検や消耗品の交換なども含まれる。

たとえばタイヤ交換も期間内であれば無償でやってくれる。ことに年間走行距離の多い人は、4本セットで数十万円もするケースがあるタイヤがタダで交換してもらえるのは嬉しいことだ。それだけでも値引きしてもらう以上の値打ちがあるかもしれない。ほかに、車体やホイールの傷の補修も、条件内で無料になる。

ただしこのオンライン注文は、現在のところボルボスタジオ青山のみの販売方法で、ほかのボルボ販売店では扱っていない。ここで成功すれば、全国の販売店へ展開される可能性がある。

定価販売をしながら、顧客の予算の中から月々の支払いがしやすく、なおかつ得をしたと実感できる販売方法が模索されている。

値引きなしの定価販売でも、残存価格が十分に高く設定され月々の支払いがしやすくなったり、その後のサービスが無償提供されたりということのほうが、実は快適にクルマを利用できると実感する消費者が増えていけば消費者の平等が確保され、販売店側も余計な手数を掛けずに営業することができるようになっていく。

クルマは数年と長く利用するものだから、買うときだけの損得ではなく、使って、手放すときまでを視野に得する買い方が、賢い買い物になっていくのではないだろうか。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事