「アラフォー留学」で35歳の会社員が得た転機 留学で「社畜」からの脱却は可能といえるか
そして35歳になったとき「このまま同じ会社で働いても、出世も見込めないし、もしこのまま、めまいが悪化して倒れたとしても会社は何もしてくれない」。そう思ったAさんは、10年以上年勤めた会社を退職しました。
そこで、英語とビジネスを学び直して、昔の念願だった外資系のアパレル企業への転職を目指そうと決意しました。正直なところ、どん底だったモチベーションの回復も図ろうという狙いもあったそうです。
一念発起して35歳でカナダに留学
3カ月間の準備期間を経て、カナダ・トロントの大学に半年間の予定で留学をしました。トロントを選んだのは、他の留学先に比べて日本人が少なめで、今までAさん自身が行ったことがない国だったから。新しい環境で再出発をしたいという気持ちだったそうです。
英語を使うのも、ほぼ大学生の時以来だったため、読み書きはなんとかできるものの、会話は挨拶すらままならない状態でした。英語のレベル分けテストでは、Lower Intermediate(初級と中級の間)と診断されて、授業がスタートしたといいます。クラスメートには年下が多いものの、ドイツ・イタリア・メキシコ・ブラジル・韓国・台湾と国際色豊かで、特に欧米の参加者は見た目や振る舞いも大人っぽく見えるため、それほど違和感はなかったそうです。
授業は実際とても興味深いものでした。会話中心のため、特にテーマごとのディスカッションになると、国ごとの考え方の違いが出て面白かったといいます。それぞれの国で盛んなスポーツや食生活について、またあるときは高齢化問題や環境問題など、英語だけでなく自分の意見を発信するということの難しさを実感する機会となったようです。
逆に自分の意見を発信できたのは、ビジネスの話題になったときでした。実際に先生よりも仕事の経験値が豊富であったため、クラスメートより一目おかれる瞬間があり、自信がついたと振り返ります。
トロントでの半年間の留学の成果として、英語のブレイクスルー(わからない状態からわかる状態に変わる瞬間)を経験しました。日系メディアでのインターンシップも経て、最終的には英語で簡単なプレゼンテーションができるレベルまで上達したAさん。意外なことに、社会人留学の最大の収穫は、英語とは別のところにあったそうです。
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