プロを悩ます? ソニーのデジカメ大胆戦略 フルサイズCMOSセンサーで"頂点"を目指す

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ボディには高鋼性マグネシウム合金を使用

ソニーは高シェアを誇るイメージセンサーの強みを生かし、ミラーレス一眼では首位を誇る。このミラーレス一眼という小型プラットフォームを活用して頂点の機種を出した点がミソだ。

たしかに、レンズ交換式カメラにおいて、ミラーが付いているか、付いていないかは、大きな差ではなくなっている。「もう一眼レフ、ミラーレスという呼び方ではなく、両方とも一眼カメラでいいのではないか」(石塚SVP)。

「ハイアマチュアやプロの方はほとんどソニーのカメラを買ってはくれなかった。やはりキヤノン、ニコンの2強に比べるとブランドイメージは劣り、彼らの欲求を満たせないというのは事実だった。プロ向けの対応が手薄で商品的にもやや劣っていた。だが今回はこのα7でその牙城を崩しに行く。とにかく高級一眼レフと性能は同じで軽くて小さい訳ですから、十分対抗できるのではないか」

一眼でもトップレベル目指す

そして、プロ向けマーケットでも首位を狙っていくという。「デジタル一眼市場をさらに拡大するには市場活性化させる必要がある。われわれもこの一眼の事業は本腰を入れてやります。プロ向けのサポートも開始する。製品とサポートとブランド、その全てでこれまで劣っていたので、1年や2年ですぐ変わるものではないだろうが、将来的にはデジタル一眼でもシェアもトップレベルを狙いたい」--石塚SVPはこう力を込める。

これまで長きにわたって続いたニコン、キヤノンの2強体制が揺さ振られることは間違いない。すでにニコン、キヤノンを愛用しているプロカメラマン、ハイアマチュアにとっては、切り替えるべきか頭を悩ます、気になるカメラが登場したともいえるだろう。

風間 直樹 東洋経済コラムニスト

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かざま・なおき / Naoki Kazama

1977年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、法学研究科修了後、2001年東洋経済新報社に入社。電機、金融担当を経て、雇用労働、社会保障問題等を取材。2014年8月から2017年1月まで朝日新聞記者(特別報道部、経済部)。復帰後は『週刊東洋経済』副編集長を経て、2019年10月から調査報道部長、2022年4月から24年7月まで『週刊東洋経済』編集長。著書に『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』(2022年)、『雇用融解』(2007年)、『融解連鎖』(2010年)、電子書籍に『ユニクロ 疲弊する職場』(2013年)など。

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