フェイスブックが明かした「流出対策」の全貌 新機能「クリア・ヒストリー」とは何か
最大8700万人の顧客情報が自社の関連サービスから流出した、SNS世界最大手のフェイスブック。4月10~11日には、同社のマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が米議会の公聴会に出席し、計10時間近くにわたって議員から500以上の質問を浴びせられた。
そのフェイスブックが毎年開く開発者向け会議「f8」が5月1〜2日(現地時間)、カリフォルニア州サンノゼで今年も開かれた。
2017年1〜3月期の最終利益が過去最高を更新し、業績はいたって好調なものの、同社は2004年の設立以来かつてない世論の逆風にさらされている。ザッカーバーグCEOはf8で何を語り、発表するのか。多くの人々が注目していた。
利用履歴が消せる「クリア・ヒストリー」を導入
「今年でf8は10年目だ。信じられないよ!」。満面の笑顔で登場したザッカーバーグCEOは、冒頭にこう語りだし、約32分に渡ってキーノートスピーチを展開した。
同氏が強調したのは「人々にとって影響力の大きいツールを提供するだけでなく、それらのツールが良いものとして使われるよう、責任を幅広く捉えている」という点だ。ロシアによる選挙工作やフェイクニュース、ヘイトスピーチ、データプライバシーの問題にも自ら触れ、「ここにいる全員が、我々がこの問題についてどう対処していくかを知ることが重要だ」と述べた。
そのうえで真っ先に発表された新しい機能が、ユーザーが利用履歴をクリアできる「クリア・ヒストリー」だった。情報流出問題を受けてフェイスブックはアカウントの設定の中に「プライバシーセンター」という新メニューを設け、プライバシーやセキュリティ、広告に関する管理をより簡単にできるようにした。
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