「ブランドセーフティ責任者」の役割は重要だ おかしなサイトに広告を出していませんか?
クライアントが、自社の広告が怪しい場所に表示されないことを要求するので、より多くのエージェンシーが最高ブランドセーフティ責任者を雇い、好ましくない場所に広告が表示されてしまった場合に立ち向かう方法を指導するようになっている。
IPGメディアブランズのメディアエージェンシーUMは2018年4月第2週、ジョシュア・ローコック氏をグローバル・ブランドセーフティ責任者に指名した。ローコック氏は、「不適切な」コンテンツ内に広告が表示されることを防止し、クライアントのために安全手順を作成するというエージェンシーの取り組みをリードする責任を負う。
ローコック氏は、フェイスブックがユーザーデータをケンブリッジ・アナリティカに渡していた事件を例に挙げ、ブランドセーフティは複雑化していて、単にメディア投資を守ることだけではすまなくなっていると語る。「問題は、それが(プラットフォームで)機能しているか、あるいはそこからよりよい行動を引き出しているかだ。プラットフォームの次に、メディアパートナーやアドテク企業が来る」と、ローコック氏はいう。
他所でも同じ役割が
同じような役割がほかのところでも生まれている。グループ・エムの北・南米におけるブランドセーフティのマネージングパートナーを務めるジョー・バローネ氏は、2017年にこの役職に任命され、ビューアビリティ(可視性)や広告詐欺、広告が表示されるコンテキストなど、ブランドセーフティに関わる要素を集中的に扱っている。グループ・エムではさらに、専用のブランドセーフティ慣例を2016年に確立し、エグゼクティブバイスプレジデントのジョン・モンゴメリー氏がその指揮をとっている。
バンク・オブ・アメリカでは、広告に関して自社が支払っている費用分の効果が確実に得られるようにすることを基本目標に、ブランドセーフティ責任者を雇用するプロセスを進めている。2018年はじめに開催された「モバイルワールド会議」のCMOサミットの講演で、バンク・オブ・アメリカのシニアバイスプレジデントであるロウ・パスカリス氏は、この役割は昨年のYouTubeでの広告スキャンダルのようなブランドセーフティに関わる問題への直接的な反応だったと語った。バンク・オブ・アメリカに人選やその後の進捗状況についてコメントを求めたが、回答は得られなかった。