スタジオアリスが少子化でも増え続けるワケ 47都道府県で展開、子ども向けのシェア6割

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川村社長は、新規事業を上乗せすることが成長への手段だと強調する(記者撮影)

アリスも子ども向け写真館だけではなく、「これからは新規事業をきちんと上乗せしていくことが、いちばん成長できる手段だと考えている」(川村社長)。ブライダルやマタニティといった大人の撮影や、2分の1成人式(10歳)など新たな市場の開拓に加えて、足元で注力するのが出張撮影やアプリでの写真注文だ。

苦戦する海外事業

出張撮影は、カメラマンが保育園や幼稚園へ出向いて遠足の風景などを撮影し、親はアプリ経由で写真やアルバムを注文できる。2015年に本格スタートし、子を持つ親たちに広く浸透しているブランド力が生きたこともあり、今年度には黒字化する予定だ。

さらに、最近はお宮参りの際など家族に同行して1日の様子を撮影するといった、カメラマンが出向くスタイルがはやりだすなど、アリスも実験に乗り出しているという。ほかにも、スマホで取った写真をミニアルバムにし、180円で届けてくれるアプリなどを提供開始する。

実は20年ほど前からアリスは韓国や台湾など海外にも進出してきた。しかし店舗数は多いときでも12店舗と一向に増えず、現在は韓国に3店舗のみ。中国進出の足掛かりにしようとした台湾も赤字から抜け出せず、昨年撤退に追い込まれた。「七五三に該当するような行事がなく、正直に言えば圧倒的な差別化もできていない」(川村社長)。

「新規事業が順調にいけば来年度にも最高益を目指せるかもしれない」と川村社長は語る。子ども向け写真館という概念がある程度浸透したいま、国内市場を舞台にアリスがアクセルを踏み続けるには、新たな収益源の確立が欠かせない。

田野 真由佳 東洋経済 記者

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たの まゆか / Mayuka Tano

2009年に大学を卒業後、時事通信社を経て東洋経済新報社に入社。小売りや食品業界を担当し、現在は会社四季報編集部に所属。幼児を育てながら時短勤務中。

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