「フォレスター」は本当にターボを捨てるのか 5代目は当初、自然吸気エンジンのみで登場

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新型フォレスターに搭載されるエンジン(写真:SUBARU提供)

一方、北米向けは当初から2.5L自然吸気がスタンダードで、2代目で同じ2.5Lのターボを追加した。日本でも2.5L自然吸気は初代に設定されたが、すぐにラインナップから落とされた。2.5Lターボも2代目と3代目の一部グレードで用意されたにすぎない。なお4代目は米国向けもターボは2L直噴になった。

こうした流れを考えると、新型の北米仕様車が2.5L自然吸気のみというのは納得できるが、日本でのフォレスターは21年間ターボエンジンを欠かしたことがなかったわけで、フォレスターの熱狂的なファンが不満に思う気持ちは理解できる。

ターボば積まれないのか

では今後もフォレスターにターボは積まれないのか。筆者は追加される可能性はあると考えている。

新型フォレスターのシフトレバー周り(写真:SUBARU提供)

2014年5月に当時の富士重工業が発表した中期経営ビジョン「際立とう2020」では、新設計の次世代プラットフォームを投入するとともに、水平対向エンジンも次世代化し、全車直噴化するとしている。その中で2018年にはプラグインハイブリッド(PHV)、2019年にはダウンサイジングターボの登場を示唆している。

世界各地での電動化への流れを考えればPHVは重要だ。SUBARU最大のマーケットである米国では、ドナルド・トランプ大統領が電気自動車購入者に対する優遇税制の廃止に動き出したとの報道もあるが、カリフォルニア州などZEV規制が厳しい州もある。ちなみにここでいうZEVにはPHVは含まれるが、通常のハイブリッド車(HV)は含まれない。

前述のように新型フォレスターの中国仕様にはモーターアシスト仕様が用意されたが、呼び名から考えても電動走行は難しいだろう。となるとPHVへの転用は難しい。

スバルは先代インプレッサと「XV」にHVを設定していた。しかしこれは電動走行ができないマイルドハイブリッドで、PHVへの転用は難しい。フォレスターはSUVということもあり大容量バッテリーを搭載する空間はあるものの、PHVシステムを自社でゼロから開発するか、縦置きエンジン4WDのHVを持つトヨタ自動車の力を借りるか、今年中に明らかになるだろう。

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