アラフォーで始める「夢実現ノート」の作り方 豊かな老後人生を送りたい人は実践している

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次に「将来こうしたい」という未来の自分の姿を書いていきます。私たちは日々たくさんの選択を行い、その積み重ねが自分の歴史をつくってきました。時間は同じペースで毎日どんどん過ぎ去っていきます。未来のためにできることは、今をよりよく生きることです。そうすることで目標とする姿にたどり着くことができるのです。仕事も試験も、目標を決めて準備することが結果に直結するのと同じです。

最大のポイントは、「ワクワクする自分を描くこと」です。たとえば、40代で大きな目標を達成し、50代で会社の重要な部分を切り盛りする役員になるというのもいいかもしれません。またまったく違う社会への貢献の仕方もあるでしょう。60代、70代と、10年ごとにあなたの目標を描いていきましょう。

やりたいことがない人は「モデル」を探す

これは、実際に私がよく知っているあるご夫婦が実践されたケースです。医師だったご主人と出版社の社長だった奥様は、60歳から写真を学び、語学スクールに通い、イタリアのお祭りをテーマに何度も撮影旅行に出掛けました。たくさんのすばらしい写真を撮りながら、旅をされたそうです。そして、毎年1~2回写真展を開催し、94歳の今年5月、50回目の写真展を開く予定です。ご夫婦ともリタイア前と後の人生でまったく違ったことをして、いきいきと過ごされています。

これまでやりたかったけど、できなかったこと、やらなかったことを未来の自分が実現できるのです。何をして過ごしたいのかを自由に未来史に書いていきましょう。楽しみながら仕事を続けたい、音楽、ゴルフなど趣味に費やしたいなど、人それぞれです。10歳ごとに、音楽家、画家、作家と転身することも可能です。

大まかで構いませんので「どこで」「誰と」「どんな生活をしたいのか」などを、10歳刻みで書き込んでみましょう。それが未来の自分からのメッセージとなり、これからの行動を変えていく強い動機となります。

それでも、まだ未来を思い描けない人は、どうすればいいでしょうか。自分が目指したい「理想のモデル」を見つけて、どうしたらその人に近づけるかを考えてみるといいでしょう。こうして現役時代から次のステージを考えていくと、それまでにできることがあります。60歳からの40年間は、働いていたとき以上に自由な時間があるはずです。しっかり準備をして、自分のために使える自由な時間を充実させましょう。

このように、まずは未来を描くことが初めの1歩となり、それが遠い未来の自分の人生を豊かにする行動につながります。この「夢プランノート」には資産の状況や、友人、知人など、大切な情報を書き込みます。たとえばずっと友達として交流したい人は何人いるのかを書いてみましょう。人的な財産も、次のステージには欠かせないからです。

「夢プランノート」で年代別ストーリーができたら、早速、今からできることから始めていきましょう。人生の主役は皆さんですから、人のせいにはできません。勇気を出して、情熱的にワクワクしながら今を楽しみ、人生の主役を演じてください。

木田 美智子 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

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きだ みちこ / Michiko Kida

郵便局で37年間勤務、退職後、独立。多くのお客様との出会いと経験を生かし「気軽に相談できるファイナンシャルプランナー」として活躍中。「確定拠出年金相談ねっと」認定のFP、DCアドバイザー、金融知力インストラクターや、各種FP団体役員としても活躍。大学の資格取得講座講師や横浜市内の小学校で「上手なお金の使い方」の講師など金融教育にも力を入れる。郵便局社員向けやFP向けなどの各種セミナー活動も熱心に行っている。

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