「首相案件」だけ優遇、加計問題の深すぎる闇

なぜ京都産業大への対応と大差があったのか

このように藤原氏は加計学園獣医学部新設には積極的かつ好意的な意向を示すほか、「遅くとも5月連休明けには1回目の募集を開始する」といった加計学園にとって有利な事前情報を提供し、「提案内容は既存の獣医学部とは異なる特徴や卒後の見通しなどをしっかり書き込んでほしい」と具体的なアドバイスも行っている。

さらには加計学園側が喜びそうな「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」というリップサービスまで述べているのだ。

その一方で、京都産業大学への対応は冷淡だったといっていい。

藤原氏は加計学園には「2、3枚程度の提案書を作成いただき、早い段階で相談されたい」と簡素な提案でいいからと急がせたが、1989年から獣医学部新設に向けて計画し、20ページ以上の資料を準備して2016年10月17日に国家戦略特区ワーキンググループによるヒアリングに挑んだ京都産業大学は政府に斬り捨てられる結果となっている。

もっとも京都産業大学も決して無策だったわけではない。

京都産業大学は消極的な省庁に前途を阻まれた

文科省には何度か事前協議を申し入れていたが、「門戸は開かれていないので、具体的協議はできない」と断られ、農水省などからも「獣医師の数は充足しているので、これ以上獣医学部を作る必要はない」と拒否されていた。要するに京都産業大学は農水省や文科省といった獣医学部新設に消極的な省庁にその前途を阻まれ、加計学園は内閣府や官邸といった“助っ人”に恵まれた。

そして2016年11月9日に開かれた安倍晋三首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議は、獣医学部新設は獣医学部空白区に限ること、そして2018年度開学することという条件を付すことを決定。これにより、同じ近畿地方に獣医学類をもつ大阪府立大学が存在すること、および時間的なスケジュールが間に合わないことで、京都産業大学は獣医学部新設を諦めざるを得なくなった。

なお獣医学部新設に消極的だった文科省からは、後に「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」などという「官邸サイドの指示」を示すメールが暴露され、内閣府が主導して意図的に加計学園に有利な状況を作ろうとしていたことが明らかにされている。

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