「沈みゆくトランプ政権」から逃げ出す人々

騒ぐだけの米国vs大人の対応を見せる中国

また議会共和党も政権との距離を広げている。中国の制裁リストが共和党内に動揺を広げたことは述べたが、先月のペンシルバニア州での下院補欠選挙では、共和党有利との事前観測を覆して、民主党が勝利した。11月の中間選挙での敗北が実現性を増すにつれて、議会からもトランプ大統領は見放されつつある。11日(水)には、ポール・ライアン下院議長が引退する旨を表明したが、トランプ大統領が暴走し、それに対する議会共和党内の調整を始終押し付けられたため、ライアン氏も愛想を尽かしたのかもしれない。

もちろん産業界も、通商面での保護主義の強化で、海外からこれまでより高い価格で調達することを余儀なくされる展開が懸念され、不満が強まっている。さらに最近のアマゾンを筆頭とする新興企業叩きも加わり、トランプ政権から離反する動きが強まりそうだ。

投資家も、このところ「株価を上げる習近平VS株価を下げるトランプ」という図式が強まり、市場も次第にトランプ政権を見放すのではないか。

こうした動きが少しは圧力となったのか、トランプ政権はTPP(環太平洋経済連携協定)への復帰を検討すると表明した。TPP11のリーダー格となっている日本としては、「そんなに復帰したいのなら、TPP11で定まった条件を丸呑みするのであれば、入れてやってもいい」という姿勢に徹するべきだ。ただ、それでは米政権が受け入れるはずがないので、トランプ大統領が「シンゾウにこの俺がたっぷりと圧力をかけてやったので、米国はこんなにすごい成果を得た、やっぱり俺はすごい、俺バンザイ」とは吹聴できるが、実質的には中身がからっぽな「おみやげ」を用意してあげる必要はあるだろうが。

シリア情勢不透明だが、国内企業は堅調

前述のように13日(金)には、米国は英仏とともにシリアの化学兵器施設への攻撃を実施した。こうしたピンポイントの攻撃は、2017年4月にも実施されており、そのときは世界市場に大きな動揺は生じなかった。また、このところは地政学的なリスクの高まりや米国株式市場の波乱があっても、いわゆる「リスク回避のための円高」はほとんど生じていない。今回も、心理面から内外株価や外貨相場の短期の小幅下振れはあっても、週明けの世界市場を大きく揺らすことにはなりにくいと予想する。

海外の懸念要因が小康状態だとすれば、国内株式市場の目は、日本の企業収益に向かいそうだ。これまでの2月本決算企業の収益は、総じて堅調な内容だった。小売り・外食などの3月の月次売上高も、好調なものが目に付いた。円相場がこれから大きく円高に振れれば別だが、おおむね現状水準で落ち着いて推移すれば(ましてや円安方向に向かうことがあれば)、企業収益への期待は崩れることはないだろう。

こうした明るい流れの中で、今週の日経平均株価については、2万1500~2万2200円を予想する。

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