中国がバヌアツに恒久的な軍事基地を建設? 中国国防省は「事実と全く一致しない」と発表
バヌアツは主要な通商路からは外れ、インド洋の港ほど重要ではないものの、米国の主要同盟国であるオーストラリア沿岸部に近い。また、中国の戦力展開の目標ラインであるアジアの列島線の外側に位置する米軍のグアム基地近くにも、中国プレゼンスを示すことが可能となる。
ジブチに建設した支援拠点に次ぐ中国の海外基地
オーストラリア国立大学の太平洋地域専門家、グレアム・スミス氏は、バヌアツに中国軍基地ができれば、オーストラリアや米国、両国の同盟諸国に強力なメッセージを送ることになると指摘。
「米国とオーストラリア両国に、『われわれがここにいることに慣れなさい』という非常に挑戦的なシグナルを送ることになる」と、同氏はロイターの電話取材で語った。
バヌアツは、南シナ海における中国の立場を認めた最初の国の1つであり、太平洋諸国では唯一の国である。
バヌアツのサルワイ首相は2016年の就任以降、中国を2度訪問しているが、オーストラリアへはまだ行っていないとスミス氏は指摘。その一因として「オーストラリア側から重視されていない」ことを挙げた。
「はっきり言って、私たちは(バヌアツのことを)十分気にかけてきただろうか」と同氏は語った。
もし南太平洋に基地を建設するなら、インド洋に面したアフリカのジブチに建設した支援拠点に次ぐ中国の海外基地となる。