日米首脳会談は「対北朝鮮」「通商」とも不透明 トランプ大統領はどんな取引を提示するのか
[東京 3日 ロイター] - 安倍晋三首相は4月17日から20日に訪米し、日米首脳会談を行う。対北朝鮮政策における日米韓の協調体制を再確認し、米朝首脳会談で拉致問題を取り上げるよう求めるが「温度差」が露呈する可能性もあり、会談の成果には不透明感が漂う。
経済分野でも、鉄鋼・アルミニウムの輸入規制で適用除外を求めると日米自由貿易協定(FTA)を持ち出される懸念もあり、緊張感のある会談になる可能性がある。
気になる北朝鮮の中短距離ミサイルの扱い
首脳会談は、フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘で17、18日の2日間にわたり行われる予定。
安倍首相は2日、トランプ米大統領に拉致問題の重要性など日本側の主張を伝えると政府・与党幹部に伝えた。「(首脳会談で)拉致問題について取り上げるようトランプ氏に直接要請する」と明言した。
これまで首脳間で培われた信頼感を背景に、日本側の要望を率直に伝え、韓国・北朝鮮の南北首脳会談や米朝首脳会談の開催を前に、日米韓の連携を再確認したい考えだ。
ただ、米・韓・北朝鮮の急速な外交的進展により、日本側にはいくつかの懸念材料が浮上しているとみられる。
一つは、北朝鮮の保有する核弾頭搭載が可能なミサイルの問題だ。安倍首相は「(米国に届く)ICBM(大陸間弾道ミサイル)級だけでなく、(日本を射程に入れる)短・中距離弾道ミサイルの放棄も実現する必要がある」(3月26日、参院予算委員会)と言明。トランプ大統領が、短・中距離ミサイルの放棄も北朝鮮に迫ることを期待しているようだ。
だが、日本にとって脅威である開発済みの中距離ミサイルに対する米国の関心は低いという見方が、日米外交筋から出ている。