ティム・クック氏が説く「倫理教育」の重要性 独占インタビューで語った「未来の教育」
Swiftプログラミング言語で使われる単語などが英語に近いため、日本国内では立教小学校など、英語の授業にSwift Playgroundsを取り入れるところも出始めている。子供達に英語を使ったことで「何かができるようになる」という達成感を与えることが目的だ。
Swift Playgroundsを出した後、アップルは教職経験者を雇い入れ、「Everyone can Code」という学校用のカリキュラムを開発。先生たちにSwift Playgroundsをどう使えば授業に組み込めるか、どのように授業を進めると生徒達のやる気がのびるかなどを細かく教える電子書籍の無料配布を開始している。この教員用の手引きは日本語化も行われており、すでに国内でも多くの学校が採用を始めている。
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クック:この「Everyone Can Code」というプログラムを通して、これまで接点がなかった多くのコミュニティカレッジ(2年生大学)や技術学校、専門学校ともつながりました。そしていいプログラムをつくるのに4年間の学位の習得は不要で、それがなくても驚くようなことができることを知りました。
こうした成果に非常に満足をしています。ただ、そこで踏みとどまるのではなく、今度は我々が間違いなく、もっとも得意であるもう1つの領域でも世の中に貢献しようと思い始めました。それは「クリエイティビティ」です。
クリエイティビティこそアップルの強み
クリエイティビティは我々の会社を我々の会社たらしめている重要な要素であり、創業者の故スティーブ・ジョブズがもっとも情熱を感じていた領域でもあります。
世界中の多くのクリエイター達が、我々がつくった道具を使って驚くような表現を作り続けています。
そんな中、昨今になって教育界隈の人々も、改めて「クリエイティビティ」というものの重要さに目が覚め始めたのを感じています。
そこで我々が提供を始めたプログラム「Everyone Can Create」は、ただ音楽や美術の授業で使われるだけではなく、歴史や数学、そして科学の授業でも使えるようにつくられています。
そうすることで、それぞれの教科をこれまでと違った視点で見れるようになり、その教科により関心を持ったり、熱中できたりするようになるのだと信じています。さらには、生徒達が知らず知らずのうちにクリエイティブな表現技法も身につけられるものと信じています。
ちょうどコーディング用のカリキュラムが生徒達に知らず知らずのうちに「課題解決」の技能や「批判的思考」の技能を習得させているのと同様にです。
ちょっと答えが長くなりましたが、こうしたことこそがアップルの教育市場における役割だと思っています。
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