アマゾンが「カー用品」1000万種類を売るワケ 登録した車種情報に合った商品検索が可能に

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登録された自分の車の情報を基に、簡単に検索できる(写真:アマゾンジャパン)

一方、ネックになっていたのが「パーツの取り付け」だ。欧米では購入したタイヤやカーエレの取り付けを消費者自らが当たり前に行うが、日本ではカー用品店やガソリンスタンドなどが委託する整備工場に依頼するケースが多い。

そこでアマゾンでは、購入したパーツの取り付けをECサイト上で申し込めるサービスを2011年から始めている。送り先をアマゾンが提携する整備工場に指定でき、購入者は予約当日、車に乗って出かけるだけでいい。提携工場は直近では全国1万4000カ所まで増えた。

取り付けまでを含めた事業をこの規模で展開するのは、アマゾンの進出国の中でも日本だけだという。サービスの広がりを背景に、アマゾンの日本におけるカー用品カテゴリーの取扱高は、ほかの商品カテゴリーに比べ高い成長率を示す。

法人向けECサイトでもカー用品が人気

アマゾンが昨年9月に日本で開始した法人・個人事業者向け専用の購買サービス「Amazon Business(アマゾンビジネス)」においても、カー用品の需要は想定以上に大きい。主な顧客は、自動車整備工場だ。アマゾンからタイヤや部品、カーナビなどを購入し、修理や取り付けのサービスと合わせて提供するケースが多いという。

カー用品店で見掛けることの多いドライブレコーダーなど、カーエレクトロニクス製品やタイヤの取り付けもアマゾンで依頼できる(編集部撮影)

法人向けECでも、やはり品ぞろえの多さがアマゾンの強みだ。「既存の仕入れ先に頼るだけでは、事業者からお客さんに提供できるメーカーやブランドが限られてしまったり、取り寄せに1カ月以上かかったりする場合があるが、アマゾンを使えば、お客さんが選びたいものを選んでもらえる。お待たせする時間も短くできる」(アマゾンジャパンの星健一・アマゾンビジネス事業本部長)。

今回始まったオートパーツファインダーの機能は、アマゾンビジネスでも個人向けECと同じように使える。整備工場には、紙のカタログの代わりにタブレット端末でアマゾンビジネスのサイトを顧客に見せる手法など、具体的な活用方法も含めて訴求しているという。

現在、アマゾンでは中古車、カーリース、車検を受けられるチケットなど、従来のカー用品ECから周辺領域へとラインナップを拡大している。「アマゾンとして、自動車にまつわるすべてにかかわっていきたい」(前出の六車事業部長)。業界でのアマゾンの存在感はさらに高まりそうだ。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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