ところで、西武線あるいは東京メトロで人身事故などが発生し、直通運転を中止した場合、西武池袋線と東京メトロの橋渡しとなる西武有楽町線全線(小竹向原―練馬)は運休となる。つまり新桜台駅には復旧まで電車がやって来ないのだ。利用者は、桜台駅、江古田駅、あるいは小竹向原駅まで歩くしかない。こうしたリスクもあって、新桜台駅の利用者は少ないのかもしれない。
亀戸天神と間違えないで!
10)東武亀戸線・亀戸水神駅(1日平均乗降人員:3951人)
東武鉄道の23区内の駅で乗降客数が1万人以下の駅は5駅ある(北池袋、東あずま、小菅、堀切、亀戸水神)。そのうち亀戸線の駅が2つあり、亀戸水神駅は、5駅の中で一番少ない3951人となっている。亀戸線は亀戸と曳舟を結ぶわずか3.4kmのミニ路線で、全線通しで乗っても8分ほどで終点に着いてしまう。2両編成のワンマンカーというのが東京都心とは思えない。
亀戸水神駅は、亀戸線の南のターミナルとなる亀戸駅の次の駅で乗車時間は2分、歩いても10分くらいの距離だ。駅の東側は広大な亀戸中央公園だから、このあたりに住んでいる人は西側、つまり亀戸駅から徒歩圏内がほとんどなので、都心に出るのであれば亀戸からJR総武線利用となり亀戸線のお世話にはならないだろう。
亀戸水神社というのは水をつかさどる神様を祭ったもので、有名な亀戸天神とは異なる。亀戸天神と間違えてやってくる人が時折いるらしく、駅には「亀戸天神と亀戸水神はちがいます」との注意書きが貼ってある。ちなみに亀戸天神の最寄り駅は亀戸駅で亀戸線とは異なる方向へ10分程歩いたところにある。
亀戸水神駅の曳舟方面行きのホームと駅舎をつなぐのは跨線橋でも地下道でもなく構内踏切だ。都内では希少価値の施設であり、古きよき時代の名残を残す貴重な駅でもある。
都心にある利用者の少ない駅は、今後、大化けしてメジャーな駅になる可能性を秘めた駅がある一方で、さまざまな事情から、これからもマイナーな駅のままであり続けるものもあろう。「残念な」状況ではあっても、人によっては都会のオアシス的な魅力を感じる駅もある。数年後、これらの駅がどうなっているか、興味津々とも言えよう。
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