残念?オアシス?都心の「閑散とした駅」10選 東京23区内にも利用者の少ない駅はある

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02)JR京浜東北線・上中里駅(1日平均乗車人員:7640人)

都区内のJR駅では越中島に次いで利用者数が少ない上中里駅(筆者撮影)

23区内のJR線では越中島駅に次いで乗車人員の少ない駅だ。北東側は新幹線の高架橋に遮られ、南西側は崖となっていて圧迫感がある。新幹線高架橋の先にある街の向こうには尾久車両センターがあるものの駅から見えるわけではなく、そちらへ渡る歩道橋は4階の高さなので、エレベーターを利用することになるが、やや不便だ。

駅前に大きな商店街はなく、すぐに坂を登って本郷通り方面へ向かう。バラの名所として知られる旧古河庭園は徒歩圏内にあるものの、坂を登っていくことから、高齢者は駒込駅からコミュニティバス利用が多いと思われる。尾久車両センター、神社、公園などが近くにあり、多いとは思えない地元の利用者を尾久駅、地下鉄西ケ原駅と分け合っているためか、乗車人員は年々漸減している。

車両基地を挟んで東側

03)JR東北本線・尾久駅(1日平均乗車人員:9042人)

車両基地(尾久車両センター)を挟んで上中里駅の東側に位置する尾久駅(筆者撮影)

個人的には、残念な駅とは思っていない。ホームから尾久車両センターのさまざまな車両が見える。少し前までは北斗星、カシオペアなどの寝台車、今は、「なごみ(和)」や「四季島」が停まっていることもあり、「聖地」ともいえる駅だ。しかし、熱くなるのは鉄道ファンばかりで、乗車人員は、1万人を切る9000人台。23区内で1万人以下は、越中島駅、上中里駅、尾久駅の3つだけだ。

駅に隣接する尾久車両センターは、鉄道ファンには「北斗星」など寝台列車の基地として親しまれていた(撮影:尾形文繁)

しかし、過去にさかのぼってみると、2000年頃は、上中里駅のほうが利用者は多かった。それが、2007年に逆転して以来、尾久駅が増え続けているにもかかわらず、上中里駅は7000人台で低迷している。特に2015年春に上野東京ラインが開業して以来、東京駅、新橋駅へ乗り換えなしで行けるようになって利便性が向上したため、尾久駅の乗車人員は初めて9000人台の大台に乗ったのである。鉄道ファン以外には知られることがなかった尾久駅が1万人台を越える日が来るかもしれない。そうなれば名実ともに、残念な駅ではなくなるだろう。

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