熟年パパが陥りやすい「教育の盲点」とは?

学歴社会に揉まれ、就職でも苦労した結果…

子育ては、仕事で言えば「新規事業の立ち上げ」のようなものだそう。これまでの業務と合わせ、両方を同時に回そうとすれば大変ですが、「30代までバリバリ働いてきた成果を“貯蓄”ととらえれば焦りもなくなるはず」と、おおたさんは話します。

「子育てで新たな視点を得れば、スキルアップやその後のキャリアアップにもつながるはずです。一定期間は、新規事業への資本投下と考え、時間も力も惜しまずに取り組むこと。自分自身の今後のためにもなりますよ」

また、熟年パパ世代にはもう1つの共通点があり、それが子どもの教育問題に影響を与えている面もあるそうです。

グローバル化、IT化のプレッシャー

熟年パパ世代は、第2次ベビーブーム前後に生まれた世代でもあります。学歴社会に揉まれ、就職でも苦労したのちに、リーマンショックも直撃。「いい大学に入れば一生が見えた時代」は終わり、自分もいつリストラされるのかわからない環境の中で働き続けてきました。

「学歴があるのは当たり前。そのうえ、世の中全体でグローバル化とIT化が進む中、英語が話せずにチャンスを逃して悔しい思いをしたり、業務の中で新たなツールを使いこなすことに苦労したり、プログラミングに対する知識がないことにプレッシャーを感じたり。彼らは、『英語もできて、ITも使いこなせて、コミュニケーション力もあって当然』という、実に多様なスキルが求められるようになる過渡期にも直面した世代なのです。一方、後ろからやってくる若い世代には、専門職でなくてもプログラミングができたり、英語が話せたりする人材も増えました。今現在も、上と下からプレッシャーを浴び続け、焦りを感じているために、子どもに対しても『あれもこれも将来に必要』と考えてしまうのでしょう」

自分が実社会で味わってきた経験から、子どもの身を案じ、勉強はもちろんのこと、習い事をどんどんプラスしていく傾向にある熟年パパ世代。しかし、おおたさんは、「“生きるスキル”と“生きる力”は違う」と話します。

「英語もプログラミングもただの“スキル”であり、求められるものは時代によって変化します。予測不能な世の中ですし、これから先には、スワヒリ語が必要になる未来もあるかもしれない。だからこそ、子ども自身が自分の目で先を見て、考え、実行していく力があることが重要なのです。スマホにアプリをインストールするような感覚で、スキルを付加しようという考えでは、本当の意味での“生きる力”は身に付きません」

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