熟年パパが陥りやすい「教育の盲点」とは? 学歴社会に揉まれ、就職でも苦労した結果…

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そこで注目したいのが、ここ数年のアメリカの教育で重要視されている「グリット」。才能やIQの高さよりも必要な、“生きる力”なのだそうです。

“やり抜く力”が“生き抜く力”になる

「グリット」とは一体何なのでしょう。困難なことにチャレンジし、逆境にも打ち勝つ「度胸(Guts)」、挫折しても立ち直る「復元力(Resilience)」、自ら率先して行動する「自発性(Initiative)」、目的・目標に向かってやり抜く「執念(Tenacity)」。このすべての頭文字を合わせたものが「GRIT」です。つまりは、努力・根性・忍耐・情熱などを総合した、“やり抜く力”のことで、アメリカでは、“もっとも成功に必要な力”として注目されています。

これは、ペンシルベニア大学の心理学教授・アンジェラ・ダックワース氏が米国陸軍士官学校やグリーンベレーとの共同研究で出した結論であり、「人生で成功するには、IQの高さや天賦の才よりも、グリットのほうが重要であること」を科学的にも裏付けています。同氏はこの研究により、アメリカでノーベル賞と同等の位置付けにある「マッカーサー賞」も受賞しました。

「これからの時代、最低限の体力や知力は大前提ですが、そこにグリット、つまり、“やり抜く力”が必要だとされています。中学受験や習い事に必死になり、高い学歴やスキルを身に付けさせたところで、複雑な世の中を生き抜く力にはつながりません。サッカー教室でもプログラミング教室でもなんでもいいので、『何かに一生懸命に取り組み、壁を乗り越える経験』をさせることが大事です。小さな成功体験を積ませていけば、やがて子どもはグリットを得ることができるのです。また、私はこれに加えて、『自分にはできないこと』ができる人と仲良くする力も必要だと考えています。自分とは異なる性質を持つ人々と協働できれば、1人ではなく、チームの一員として一緒に生き抜くことができますから」

もちろん、親ができることは限られているもの。だからこそ、「親自らが手本を示してほしい」とおおたさんは話します。

育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささん(筆者撮影)

「ハイリスクな世の中を生きることが前提だとするなら、もっとも身近にいる親が表面的な学歴やスキルにとらわれ、安定志向の生き方を最善とすれば、悪いお手本にもなりかねません。『虫の目、鳥の目、魚の目』という言葉がありますが、これは『細部を見て、大局を俯瞰し、流れを読む力』のことであり、これこそが“学歴”では測ることができない“教養”であり、また、生き抜く力でもあると言えるでしょう。子どもにその力を身に付けさせるためには、『安全・無難』な環境を与えるより、手本となる親自身が勇気を持っていろんなチャレンジをしていくことが大事ですね」

多様な過渡期を経験してきた熟年パパたちは、現在、スキルも、知恵も、おカネも、社会的な立場も、ある程度のものを手にしているはずです。そうしたベースを強みとして生かしながら、子どもにとって必要なことを考え、与えるべき教育を選ぶことはもちろん、自らこの不安定な世の中を生き抜こうという意識を持つことも必要だと言えそうです。

(編集協力:ストーブ)

上野 真理子 フリーライター

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うえの まりこ / Mariko Ueno

フリーランスのライターとして、人物インタビューを中心に雑誌媒体やウェブ媒体などで執筆活動を続ける。起業家や経営者、著名人、企業人、企業人事、大学教授、各種専門家など、多岐にわたる分野の人々に取材を行い、過去18年間にインタビューした人数は2000人超となっている。

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