30代のうちに始めたい「毎月5万円」投資法 iDeCoと「つみたてNISA」は2つ入るのが基本
長期の資産形成で大切なポイントは「長期、積み立て、分散」です。iDeCoもつみたてNISAも仕組みそのものが、長期、積み立てですから、あとは分散を意識すればいいだけとなります。
どんな「投資信託」が望ましいのか?
投資のプロではない一般の人が経済成長の恩恵を効率的に受けるために使うべき金融商品は、投資信託です。それもどこか特定の国、産業に集中するのではなく、世界中に「分散」する投資信託が望ましいでしょう。また経済の変動に合わせ適時投資先の配分を調整する「リバランス」の技術を持ち合わせていない人は、まずは「バランス型」が選ぶべき投資信託でしょう。
独自に投資信託の評価をする会社「モーニングスター」が運営するサイトでは、実際の投資信託の運用実績に応じたシミュレーションをすることができます。これはあくまで一例ですが、iDeCoでもつみたてNISAでも選択できるセゾン投信の「資産形成の達人ファンド」で、iDeCoとつみたてNISAの税制優遇を実感してみましょう。
もし会社員が月2万3000円をiDeCoで、月3万3000円をつみたてNISAで、つまり合計5万6000円を過去10年間、この投資信託で運用したとしましょう。10年間の積立額は合計672万円です。
シミュレーションによると、10年間で資産はなんと1563万円にも大きく成長しています。このうち投資元本との差額891万円が利益です。もしこの投資信託をiDeCoあるいはつみたてNISAではなく、特定口座などの一般の課税口座で積み立てをしていれば、同じ利益に対して20.315%課税されてしまいますから、実に約181万円もの税金を納めなければならなかったことになります。
この場合、積立額のうち、276万円はiDeCoの掛金です。仮に年収600万円程度で、所得税の上限税率が20%、住民税10%の人なら、iDeCoの掛金全額所得控除の恩恵として10年間で82万8000円のメリットを受けていたはずです。これだけの税制優遇を見ると、iDeCoとつみたてNISA以外の口座で積み立てをするのは非常に馬鹿らしく思えるのではないでしょうか?
もちろん上記のセゾン資産形成の達人ファンドはあくまでも一例です。また、過去の運用実績が今後もそのまま期待できるかといえば、そうとは言えないかもしれません。しかし、これだけのメリットがあれば、仮に50代で未来の自分への仕送りを始めても十分資産形成のチャンスがありますし、若い人で月5万円の仕送りが困難でも、時間を味方につけることによって、少ない金額でも資産形成ができます。
前述のとおりiDeCoもつみたてNISAも「口座」なので、金融機関で開設すればどこでも同様の税制優遇を受けられます。しかし口座開設を行う金融機関によって、選べる運用商品が異なりますし、サービスも異なります。実は、金融機関選びこそがキモだったりするのですが、今回は「未来の自分への仕送り」という話にとどめ、金融機関選び等はまた機会を改めてお伝えしたいと思います。
なお、筆者が運営する独立系の「確定拠出年金相談ねっと」というサイトでは、iDeCoやつみたてNISAのより詳しい情報発信や相談事例などを掲載しています。あくまで参考ですが、読者の皆さんの資産形成の一助として活用いただければ幸いです。
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