嫉妬に狂った彼氏を最後に刺した彼女の弁解 互いの未熟さから修復不可能な関係に陥った

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「よく覚えてないんです」

公判中、その言葉を何度も耳にしました。大好きだったはずの男を刺したときのことを問われ、被告人の知子さんは小声でそう返答したのです。

「カッとなってやった」とはよく言うフレーズですが、怒りを抱くとき、ある人は自己処理し、ある人は言葉として出すことで解消させます。最悪なのが、行動で表現してしまうことです。

彼女が男を刺すにいたるには、それ相応のすれ違いと、いら立ちが溜まっていました。付き合い当初、2人は年齢差こそあるものの、ごく一般的な交際関係にあったようですが、知子さんの元交際相手というA氏の存在が明らかになってから、関係はこじれ始めます。

「毎日私の知らないあなたがいて、今日は家にいるかなとか、考えるとすごく不安なの」

「ちゃんと私と会わないときは家にいてよ。友達と遊ぶときは、ちゃんと説明してね」

これは交際の初期に知子さんが純一さんに送ったメールの内容です。知子さんは年齢差からくる生活の違いや気持ちの温度差に不安を強めていたようです。

文面だけを見ると、よくある束縛であり、ありきたりな女心なのですが、彼女は彼に振り向いてほしかったのか、このときA氏という元不倫相手が過去にいたことを告白。A氏とは今は肉体関係がないものの、人生相談の相手としてたまに連絡を取り合うという事実に、若く恋愛経験の少ない純一さんは困惑します。

元彼との関係を続けることは恋愛に誠実ではないのか

「恋人と別れたら友人関係を続けるか」という問いには賛否あるものですが、許すかどうかの価値観は根深いので、主張の違いを話し合ったところで、多くは円満に納得し合うのは難しいものです。

このカップルも例にもれず、純一さんは彼女の告白を受け入れることができず、以降2人のケンカは増えていきます。

純一さんはケンカの際「A氏と縁を切れ」や、「もっとカネのある奴のところへ行けばいいだろう!」と、暗にA氏を引き合いに出すような発言をしており、彼女の「私のことをちゃんと見てほしい」という当初の目的は、果たされないどころか、より悪化する材料になってしまったことになります。

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