ドル下落、対円で一時8月半ば以来の安値 米財政協議嫌気、NY市場で円高進む
[ニューヨーク 7日 ロイター] - 7日終盤のニューヨーク外為市場では、米議会の財政協議がこう着状態に陥っていることからドルが幅広い通貨に対して下落し、対円で一時96.79円と8月12日以来の安値を付けた。
米政府機関の一部閉鎖は2週間目突入が迫り、債務の法定上限引き上げの期限とされる17日も迫りつつあるが、民主、共和両党に合意に向けた歩み寄りの兆しは見られず、非難合戦が続いた。
手詰まり状態が長引けば足取りが弱い米景気回復に影響が及び、連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小が遅れるとの懸念が広がり、資金の安全な逃避先となる円やスイスフランが買われた。
終盤のドル/円は0.6%安の96.90円。ドル/スイスフランは0.4%安の0.9038フラン。
ユーロ/ドルは0.1%高の1.3577ドル。
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.2%安の79.952。
デーリーFX(ニューヨーク)の通貨アナリスト、デービッド・ソング氏は「米財政問題でFRBの出口戦略が後ずれし、円は対ドルで上昇を続けるだろう」と予測。「米国の財政協議が合意に至らなければFRBは今の金融緩和策を年内いっぱい継続し、ドルは目先、一段安となるリスクがある」とした。
トレーダーによると、ドル/円は200日移動平均の96.67円が下値支持線。
シティグループ証券チーフFXストラテジストの高島修氏は「ドル/円が95円近辺まで下落すれば、ヘッジが不足している日本の輸出業者がドルを売ろうとしてドル安がさらに加速する可能性がある」と述べた。
一方、米議会が土壇場で合意してデフォルト(債務不履行)を回避することを投資家が依然期待しているため、ドルの下げはこれまで限定的だったと指摘するアナリストもいる。
2011年8月に起きた債務上限をめぐる与野党の対立では、デフォルトが発生した場合の影響の大きさから11時間に及ぶ協議の末に合意が成立しており、今回もぎりぎりのタイミングで合意がまとまることは十分あり得る。
ドル/円 終値 96.70/72
始値 96.84/85
前営業日終値 97.45/50
ユーロ/ドル 終値 1.3580/82
始値 1.3571/72
前営業日終値 1.3557/58
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