米財政協議、事態打開模索でも突破口見えず 米議会 VS オバマ大統領
[ワシントン 7日 ロイター] - 米政府機関の一部閉鎖が2週目に突入した7日、議会とホワイトハウスの双方で事態打開を模索する動きが加速してきた。だが債務上限の引き上げ期限が17日に迫る中、なお突破口は見いだせない状況が続いている。
ホワイトハウスのカーニー報道官は記者団に対し、大統領は短期の債務上限引き上げに応じる用意があると明らかにした。
オバマ大統領も、議会が予算案を成立させ債務上限を引き上げれば、医療保険改革法(オバマケア)と予算問題について協議することにオープンとの考えを示した。
大統領は訪問先の連邦緊急事態管理庁(FEMA)で、2014年度予算案と債務上限引き上げ問題が解決次第「多くの問題で共和党と話し合う意欲と用意がある」と発言。「ヘルスケア、エネルギー政策、長期的な財政再建策をめぐり協議することに前向きだ」と表明した。
大統領はとりわけ医療保険改革法の変更には強く抵抗してきた経緯があり、今回の発言はこれまでの立場から変化の兆しが伺える。
一方、上院共和党側近によると、共和党のロブ・ポートマン上院議員は、政府機関の再開と債務上限引き上げに向け、歳出削減と税制改革を盛り込んだ案を策定している。
計画はまだ初期段階にあり、議会で支持を集めるどうかは不透明な情勢。
だが共和党のベイナー下院議長と民主党のリード上院院内総務が報道官を通じて応酬を繰り広げている状況下で、同氏の提案には双方にとって許容可能な内容が盛り込まれている可能性がある。
ポートマン議員の案では、短期の暫定予算ではなく通年予算を成立させる一方、現在実施されている一律の歳出削減を維持する。大規模な歳出削減については、民主党リベラル派の多くと一部の共和党中道派が撤廃を求めている。
この財政再建策には、オバマ大統領がすでに提案している6000億ドルの削減策が盛り込まれている。
側近によると、社会保障制度やメディケア(高齢者向け公的医療保険)、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)などのプログラムが主な削減対象とみられている。
また提案では、米経済の成長押し上げに向け、議会委員会に対し、来年までに税制改革法案を策定するよう指示する。
ポートマン議員は、自身の案を他の上院共和党議員や民主党議員の一部にも提案しているという。
金融市場では米財政協議の行方に警戒感が高まっており、世界の株式市場とドルはこの日下落。米国ではS&P総合500種<.SPX>が0.9%安、ナスダック総合<.IXIC>は1%安で取引を終えた。
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