昔は輝いていたが…「残念な特急列車」10選

競争激化や観光衰退などで苦戦強いられ…

3)「草津」(上野―長野原草津口)

川原湯温泉駅付近を走る特急「草津」(筆者撮影)

首都圏から手ごろな温泉地へ向かう行楽特急が不振である。とくに、群馬県内の温泉地へ向かう特急は人気がない。上越線の水上へ向かっていた「水上」(かつては「谷川」という愛称だった)は、現在では臨時列車としてわずかな期日に運転されるのみである。

一方、吾妻線に乗り入れる「草津」(かつては「白根」)も1日4往復プラス臨時列車だったのに、いつの間にか平日は2往復となり、長年、万座・鹿沢口行きだったのが手前の長野原草津口行きに短縮された。さらに、特急停車駅だった群馬原町駅と川原湯温泉駅が通過となってしまった。

長野原草津口駅までの所要時間を短くして草津温泉へ向かう観光客に特化する列車となったが、果たしてそれで効果はあるのだろうか? 東京駅や新宿駅から温泉地への直行高速バスが発達している現在、影が薄くなったのは残念ながら事実である。このままジリ貧にならないことを祈るばかりだ。

車両が交代したらどうなる?

4)修善寺行き「踊り子」(東京―修善寺)

歴史ある伊豆の名湯、修善寺温泉へは、古くから東京駅発の直通列車が出ている。現在も特急「踊り子」号のうち伊豆急下田行きに併結される形で、平日2往復、土休日4往復が熱海で分割併合、5両編成で修善寺駅まで走っている。

修善寺駅に到着した特急「踊り子」(左)(筆者撮影)

伊豆急下田行きが10両(グリーン車2両)、修善寺行きが5両(すべて普通車で指定席車3両)という車両編成の差の通り、修善寺行きは特に平日はガラガラのことも多く、閑散としている。車両の構造上、伊豆急下田行きと修善寺行きは通り抜けができないので、伊豆急下田行きにある車内販売は、修善寺行きにはない。どこか冷遇されている感じで不人気なのもやむを得ないのかもしれない。

現在使用中の185系電車は老朽化が進んでいて余命いくばくもない。新しい車両に取り換えられる時期が近づいているのだが、それを機に直通列車が廃止されるのではとの懸念もある。

もっとも、東海道新幹線で三島まで行き、そこで伊豆箱根鉄道に乗り換えれば済む話ではあるが、東京駅で修善寺行きという表示があちこちで見られるのは修善寺温泉にとって宣伝の手段でもあり、それが皆無になれば知名度が下がる懸念もあると地元は気をもんでいる。長年続いている列車であるだけに、なくなるようなことがあれば残念な話だ。

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