小平と李の友情は日韓両国民の心を溶かした 苦い歴史を抱える両国民が称賛・感動
[江陵(韓国) 19日 ロイター] - 平昌五輪で日韓のライバル選手が、激しいレースを終えて抱き合う写真は、苦い歴史を抱える両国民の多くを感動させている。日本の安倍晋三首相も2人の友情を称賛した。
日本の小平奈緒選手は、18日夜行われたスピードスケート女子500メートルで、2014年ソチ大会に続く五輪3連覇に挑んだ地元韓国の李相花(イ・サンファ)選手を抑えて金メダルを獲得した。
日韓で「真の平和五輪」と賞賛の声
しかし、小平選手が韓国国旗を手に涙するライバルを慰め、抱きしめる姿を捉えた写真は、日韓両国民の心を溶かしたようだ。日本が1910─45年、朝鮮半島を統治下に置いていたという歴史から、両国関係にはしこりが今なお残っている。
「試合が終わって、2人が抱き合って祝福し合う光景は、本当に素晴らしい光景だった」。安倍首相は19日、自身初の金メダルに輝いた小平選手を祝福する電話で、同選手にこう述べた。
日本の視聴者からも、この光景に感動して涙したとのツイートが相次ぎ、「2人が抱き合うシーンは全人類が待ち望んでいたようなことだ」と記す視聴者もいた。
日本の新聞各紙も「ライバルの李選手と抱擁」などの見出しでこの光景を絶賛し、2人の友情を伝えた。
一方、韓国でも2人の写真は主要紙に大きく取り上げられ、「国境のない友情」「李選手の涙と小平選手の慰め──ライバル同士の美しいフィナーレ」といった見出しが躍った。
インターネットやソーシャルメディアでも、多くの人が真の友情とスポーツマンシップの表れだとして2人を称賛した。