日産が中国でEVを売りまくりたい本当のワケ

北京のナンバープレート当選確率は0.0012%

自動車メーカー各社が中国で台数を伸ばそうと画策する中、焦点になるのは「NEV(新エネルギー車)規制」への対応だ。2019年から導入され、自動車メーカーに一定割合のEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの生産・販売を義務付ける。最近は、各社のEV投入計画の発表が相次ぐ。日産も2018~19年に、「日産」、「東風」、低価格帯のローカルブランド「ヴェヌーシア」の3ブランドから計6車種を発売する計画だ。とはいえ、各メーカーにとって「NEV規制クリアはマスト」(関総裁)とも言え、この規制をテコに他社に差をつける戦略はなかなか難しい。

都市部ではナンバープレートが手に入らない

そこで市場攻略のカギを握るのが、大都市の主にガソリン車を対象にしたナンバープレート発給規制への対応だ。この規制は、可処分所得の増加でマイカーの購入意欲が強い中間層が急増する中、都市部の渋滞や大気汚染を緩和するために採用された政策。各都市に割り当てられた数のナンバープレートしか発行されず、取得できなければ新車を購入しても乗れない。日産によると、ナンバー規制が導入されているのは、北京や上海、広州など7都市。EVでは大半の都市で取得無料かつ割り当て制限がないのに対し、ガソリン車では抽選制度を採用する北京での当選確率は0.0012%、広州でも0.87%と超低確率だ。今後も採用都市は拡大していくとみられる。

中国の現地メーカーBYDが販売するPHV。ナンバー規制でEVやPHVの販売に追い風が吹く(編集部撮影)

一方で、NEVを購入すれば当選確率が高くなり、一定期間待てばナンバーが取得できる。「EVを積極的に買いたいという人がそんなにいるわけではないが、ナンバーを長期間待つよりはEVでいいという人がほとんど」(関総裁)という消費者意識の変容がある。EVをはじめとするNEVは補助金などを含めてもなお割高だが、その乗用車販売は、2017年に前年比7割増の57万台にまで成長。BYD(比亜迪)や北京汽車集団など現地メーカーが先行する。ナンバー規制が追い風となっているのは間違いない。

NEVの乗用車販売 は2020年には200万台まで増加するという予測もある。5年間で100万台以上上乗せしたい日産にとっては、この需要を取り込めるかが死活的に重要になる。関総裁も「(台数増の)ポイントはナンバー規制」と、規制への対応に勝機を見いだしていく考えだ。

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