イケてない男が一段と結婚できなくなる理由

誰もが結婚する時代がむしろ異常だった

もとより「汝、姦淫するなかれ」で代表されるキリスト教による宗教的な教えの効果もあるだろうが、人間を平等に処遇するために一夫一妻制を男女間の規範にしたのである。

平安時代以前ではこの特色はさほど強くなく、乱交の見られる時代もあったが、その後、室町・江戸時代に入って武士の支配する身分社会に入り、一夫一妻制が強化された。

しかし権力とおカネを持つ武士は妾を持つのが普通であった。さらに武士階級では強い男性への期待があったので、特に家父長制という家族のあり方が規範となり、妻は夫に従い、子は親に従い、そして家は長男が世襲するという慣習が定着した。農家、商家においてもこの規範は大切なことと理解されてはいたが、それをやり遂げることができる家は少なく、武家ほど実践されてはいなかった。

一夫一妻制が原則とはいえ、農家や商家では結婚をしない人の数、あるいは経済的に結婚できない人の数は相当多かったということを無視してはならない。その一方で江戸時代では性の自由はかなり浸透していて、複数の人と性的な関係を持つことにためらいのない社会であった。

明治時代以降、ほとんどの男女が一度は結婚する社会であった。「皆婚社会の日本」という言葉が流布したし、現に日本人の98%が結婚して夫婦になっていた。結婚してから離婚に至る夫婦は当然のことながらいつの時代でも存在していた。明治時代の初期・中期においての離婚数はかなりの数であったが、その後それが低下して、第2次大戦後の20~30年間までは0.1%を下回る低い離婚率で推移した。

恋愛、結婚の二極化と多様化

ところが、ここ30年間くらい、離婚率は上昇の傾向にある。最近になると離婚者の増加に加えて、わが国では新しい動きが生じるようになった。未婚者の増加、性の自由化、男性の性や恋愛、結婚に対する対処の仕方の二極化、女性の非婚希望の増加、出生率の低下、などである。アメリカやヨーロッパでも、結婚していない男女の間での出生数の激増、医学の進歩による生殖技術の多様化、シングル・マザーの増加といった変化が生まれている。

家族の安定は崩れ、性の自由化が進んで、単身者間の性交渉、既婚者の不倫などが増加するようになった。これらの現象は江戸時代、あるいはそれ以前の性、結婚、家族に見られた特色なので、過去の時代に戻りつつある、あるいは回帰しているとの解釈も可能である。

これらの動向から得られる1つの類推は、ヒトの世界において夫や父になる男性が今後ますます減少するということである。だが、妻や母になる女性の数は男性ほどには減っていない。

特に顕著なことは結婚しない人の増加である。日本で今後を予想すると生涯未婚率(一度も結婚しない人の比率)が男性で20%強、女性で10%強に達するので、そもそも家族の形成をしない人の増加が予想されている。

なぜ未婚者の増加が予想されるのか。

第一に、草食系男子と肉食系女子という言葉に象徴されるように、異性との付き合い方に変化が見られる時代になっている。具体的に言えば、性への関心と行動に関して二極化が進展中なのである。すなわち性欲の二極化である。

特に性交渉では先導役とされる男性にその二極化の傾向が強く、最初から女性に近づかない男性(すなわち雄)が増加している。一方の女性は受け身のことが多いので、肉食系女子の存在もありながら、男性と付き合わないケースが多いのである。女性(雌)は本能として出産の希望があるので、男性(雄)を待っているのであるが、なかなかうまく進まない。

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