50歳以上でも「つみたてNISA」が良い理由 普通のNISAと迷ったらどっちを選ぶのが得?

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資産形成の効率を考えると、元本の運用で得られた利益は、元本に取り込んで、さらに投資に回す方が「複利効果」を得ることになり、有効です。その観点からいくと、毎月分配型は「資産形成には不向き」と金融庁も以前から警鐘を鳴らしていました。

一方、販売側からすると、「年金」のように毎月おカネを受け取りたいというニーズがあるのだから、「毎月分配型投資信託はお客様がまさに求める商品」という言い分もありました。確かに、投資信託の基準価格も上がり、利益の分配が毎月行われればそれはそれで良いのかもしれませんが、実際は運用の悪化により元本を取り崩しての分配が行われ、投資家の利益にならない商品も多かったのです。

実はファイナンシャルプランナーである筆者のお客様Aさんも、NISA口座で毎月分配型投資信託を購入していた一人です。「分配にかかる税金はNISAでタダになるから、年間120万円の投資枠はフルに活用するために一括でおカネを入れた方が良い」と、金融機関に熱心に勧められて購入したのだそうです。Aさんは、投資は全くしたことがなかったのですが、「老後に向けた資産形成を」と考え、金融機関に勧められた毎月分配型の投資信託を50万円購入していました。

「利益」が出ていない投信だった

さて、ここで注意すべき点があります。投資信託における「分配金」の違いです。分配金には普通分配と特別分配の2種類があります。このお客様が持っていた運用報告書には特別分配とあり、課税はゼロとなっていました。

「やっぱりNISAは得なんですよね」と言うAさんに、「特別分配って、どういうものかご存じですか?」と聞くと、特別に利益が出たので分配するという「良い」意味なのでは、とのお返事でした。

確かに普通より特別の方が「良い」と思うのは自然な解釈です。しかし投資信託においては、「利益が出た場合の分配金」を普通分配と言い、「元本を取り崩して分配」することを特別分配と言います。つまり、元本を取り崩す特別分配は投資家にとっては「損失」なので、損失にはそもそも課税されないのです。

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