「介護離職」を回避するための5つのポイント 年間93日の「休業」や「介護給付金」も利用

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そうはいっても、「同僚に迷惑をかけるから休みにくい」という人もいますし、「介護休業など取得していたら昇進できない」という不安もありますよね。

育児・介護休業法では、介護休業や介護休暇、時短などをした従業員に対し、解雇や降格、不利益な配置変更、減給、不利益な評価、仕事をさせないなど、不利益な取り扱いをすることは違法としています。

さらに2018年からは事業主に対し、「上司や同僚などが職場において、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする就業環境を害する行為をすることがないよう防止措置を講じなければならない」という防止措置義務も追加されています。

法的には不利益にならないように定められているし、嫌がらせなどを受けることなく、休んでいい、というわけです。ここまで法律で定めるのは、介護離職する人を減らしたい、介護と仕事を両立してほしい、ということです。ためらわず、制度を使うことをお勧めします。

介護休業をしても、賃金の一部が保険から給付される

休みを弾力的にとれるようになったのは前進ですが、おカネについても、気になるところです。まとめておきます。

介護休業を取得した場合は、雇用保険から「介護休業給付金」が給付されます。この金額も増額されています。

金額は勤務先からどの程度支払われるかによって異なります。介護休業中に勤務先から支払われる賃金が0~13%以下の場合は賃金の67%、13%超80%未満では賃金の80%相当額との差額となっています(勤務先から80%以上が支払われる場合は支給なし)。つまり、介護給付金を受ければ賃金の少なくとも67%、多ければ80%が受け取れるわけです。

もしも介護離職すれば収入はなくなりますが、介護休業をして介護態勢を整えるなどすれば、賃金の7割程度は確保されるのです。残業を回避すれば残業代はなくなりますが、介護離職するよりは、家計面への影響は抑えられるはずです。

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