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75歳以上「後期高齢者」のコストは削減可能だ 社会保障費は人口変動を踏まえて決めるべし

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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何せ、2016~2018年度で「3年間で1.5兆円」を達成したが、そのときでさえ、75歳以上人口の増加率は年平均3.31%と、それなりに高い増加率だったのである。また65歳以上人口の増加率も、低下傾向だったとはいえ、年平均で約1.7%だった。それだけ高齢者人口が増えて、それに伴い社会保障費も増えて不思議ではないのに、「3年間で1.5兆円」としても、医療や介護の体制を根底から崩壊させるようなことを起こさずに乗り切ってきたのだ。

これには、介護や医療で人材不足なのに、処遇改善ができなかったのは、「予算をケチったからだ」との見方もあるが、国民が増税に応じるならまだしも、そうでない以上、給付と負担のバランスを何とか取りながらうまく維持してきた、といってよい。

確かに、2022~2024年度に「3年間で1.5兆円」という社会保障費の抑制の目安を立てるのは、医療や介護で無理を強いることになりかねないが、65歳以上人口や75歳以上人口の増加率がかなり下がり、高齢者人口の増加率が一服する2020~2021年度には、高齢者人口が増えない分、社会保障費も増えないという実態をしっかりと反映した、予算編成が必要である。2020~2021年度には、社会保障費をこれまで以上に抑制しても、高齢者人口が増えない分、抑制が可能になる時期なのである。

65歳以上は2020年代に実はほとんど増えず

おまけに、65歳以上人口は2000年代に年率約3%で増えていたが、2020年代には小数第1位を四捨五入すれば0%になる。つまり、ほとんど増えないといってよい。65歳以上人口がほとんど増えないということは、医療や介護ではなく、65歳から基礎年金を受け取るという前提に立てば、年金の給付費が(物価や賃金に連動する分を除き)ほとんど増えないということだ。これも社会保障費の自然増が少なくて済む要因になる。

今夏の「骨太方針2018」に盛り込まれる財政健全化目標を達成するため、具体的かつ実効性の高い計画として、社会保障分野では、こうした人口変動の”機微”をしっかり踏まえたものにしてもらわなければならない。

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