デンソー社長「変なEVを乱立させたくない」 トヨタ、マツダとEV合弁を設立した狙いとは
完成車メーカーがいい車をたくさん造ろうとしたとき、車を造りやすくしておくのがプラットフォームだ。標準化したものがないと自動車業界は大変になる。一品一様の車では工数や時間がかかり、価格も高くなり、結果的に購入者の負担になる。そうならないようにすることが要求されている。
真っ当なEVを造っていく
──2017年9月には、トヨタ自動車とマツダとEV(電気自動車)モジュールの合弁会社を設立しました。今の話とも関係しますか?
関係する。「こういうふうにすればいいEVができるよね」というのが標準モジュールだ。そこにデンソーが参画しているのは、単に部品供給をするという側面だけではない。EVでは熱エネルギーマネジメントが必要不可欠であり、当社にはその知見がある。標準プラットフォームにしたいという要請もあり、新会社に入った。
──トヨタ色が強くなると、海外メーカーとの取引で不利にならないですか。
そう思う人はそう思えばいい。本当にいいものを造ることで、「それをちょっと教えてよ」とか「使いたい」とかなるように仕立て上げたい。EVの要素技術の基盤開発会社とはそういうことだ。
EVを造るのにそうとうな開発工数がかかったり、変なEVが乱立しても仕方がない。真っ当なEVをしっかりと効率よく造っていくことが重要だ。
──完成車メーカーに対して、部品メーカーの存在感が増しています。
電動化や自動運転などの領域が増えれば増えるほど、本当に上流段階で一緒に車メーカーと話をして開発する体制でないと、できるものの質やスピードを上げられない。昔のように「このスペックでこう造ってくれ」という時代より、関係が深まっているのは確かだ。
(『週刊東洋経済』1月27日号「トップに直撃」を転載)
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