コインチェックの仮想通貨、犯人が移動画策 流出した仮想通貨NEM580億円分はどこへ?
[ロンドン 30日 ロイター] - 仮想通貨取引所大手コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム、単位はXEM/ゼム)」が外部からの不正アクセスで流出した問題で、実行犯のハッカーらが盗んだNEMの移動を画策しているもようだ。NEMの普及を目指すNEM財団の幹部、ジェフ・マクドナルド氏が30日、ロイターに明らかにした。
同氏によると、NEM財団は今回盗まれたNEMが、ある口座に存在することをすでに突き止めており、その口座の所有者がNEMの売却が可能な6つの仮想通貨取引所にNEMを移そうと動き始めたという。
この口座の所在は不明。
マクドナルド氏はロイターに対し「ハッカーらは複数の取引所で(盗んだ)NEMを使おうとしている。われわれはこれらの取引所と接触している」と述べた。
同氏は、今回盗まれたNEMの総額は市場が容易に吸収できる規模ではないため、ハッカーらが全額を一度に使おうとしている可能性は低いと指摘。ハッカーらが盗んだNEMを取引所に移動できた場合、換金する前に別の仮想通貨に換えようとする可能性が高いとの考えを示した。その場合、資金の追跡が困難あるいはほぼ不可能になる。
マクドナルド氏は「彼らは資金の一部を持ち逃げしようとしている」と語った。
NEM財団の広報担当者、アレクサンドラ・ティンスマン氏は、ハッカーが盗んだNEMを100XEM(約83ドル相当)ごとに無作為の口座に送金し始めたと明らかにした。
仮想通貨セキュリティー会社エリプティックの共同創業者、トム・ロビンソン氏は「こうした(不正)資金のロンダリング(洗浄)を図る場合、(取引所の)マネーロンダリングシステムに引っかかりにくくするため、小口の取引に分割することがある」と指摘。不正な資金を異なる仮想通貨に換えていく手法が、追跡を逃れようとするサイバー犯罪者の間で広がっていると述べた。
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