「創造的人生の時間」は10年なのか?

バイオベンチャー社長、窪田良氏インタビュー(下)

――起業家としてのピークの時期は何歳ごろだと思いますか。

それも分野によりますね。ITはピークがすごく早い。技術の習得期間も短いし、新しい破壊的な技術が出てくる期間も短いので、若い人のほうが技術の習得が早くて、一気に年上の人間を追い抜いていく可能性がある。

一方、バイオ業界の特徴は、「女性の進出が盛んである」ことと「平均年齢がすごく高い」ことです。人の命を預かる産業であるがゆえに、ある程度の経験を持った人でないと周りが信用しないし、ビジネスが成り立たない。バイオはピークの年齢が遅いので、60歳、70歳でも起業する人もいます。

結局、バイオ産業は、モノづくりなのです。空気中の小さな目に見えない分子を集めて、薬を創っていく。いわば、究極的にはレゴブロックでモノを作るようなものです。だからわれわれは、ある意味で芸術家の集まりです。経験がモノを言うところもあって、職人的に極めた人ほど、あっと驚く造形美を作れたりする。だから、必ずしも、若い人が有利とは限りません。

――宮崎駿監督の『風立ちぬ』の中で、「創造的人生の持ち時間は10年だ」というセリフがありますが、起業家のピークも10年ぐらいでしょうか。

10年ごとに違うことを少しずつやれば、創造的人生の持ち時間が延びるかもしれませんよ。ひとつの分野で創造性のピークが来ても、また別の角度で創造性を磨いて行けば、また別の発見があると思います。

人間の脳は、使ってない部分が本当に多くて、どうすれば活かしてない脳を使い切れるかに私はすごく興味があります。今までと別のことに挑戦してみると、新しい脳の回路がうまく形成されて、幅が広がる可能性があります。だから、ひとつの分野を極めていくには、10年ぐらいがマックスかもしれませんが、10年単位で違うことをやり続ければ、クリエーティビティを長い間維持できるのではないかと思いますよ。

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