OOTEMORIが狙うオフィス女子の“止まり木” 大手町に出現した「森」の正体とは?

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本物の森を再現するため、千葉県君津市の山林を大手町タワーの建設予定地と同じ地形、土壌、コンクリート土台に作り直し、3年にわたって生育状況や管理方法を検証。これを踏まえて、実際の敷地に移植した。いずれは枯れてしまうであろう樹木も敢えて植え移し、長い年月の中で自然のサイクルが再現されるよう配慮した。

仲通り延伸のシンボル

大手町の森の意義は、ビル1棟の物件価値向上という点だけにとどまらない。有楽町から丸の内に至る「仲通り」は現在、大手町ビルの南側を走る永代通りで途絶える格好になっている。千代田区などでは最終的に仲通りを神田まで延伸する計画を練っているが、大手町ビルの完成によって森の脇を通る形で歩行空間が設置され、仲通りが初めて永代通りを越えることになる。

南北を走る「仲通り」が東西を走る「永代通り」を越え、北側へと伸びた

東京駅の西側に位置する大丸有(大手町、丸の内、有楽町)エリアの再開発は、2012年のJPタワー(旧東京中央郵便局跡地)完成をもって丸の内エリアについては一段落した。今後は、大手町1-1計画(旧りそな・マルハビルなど跡地)、OH-1計画(三井物産本社ビルなど一帯)、大手町連鎖型開発3次(日本政策投資銀行など跡地)などが控える、大手町エリアにその中心が移ってくる。大手町タワーの完成と仲通りの延伸は、こうした再開発エリアの移動を象徴する事例だ。

かつて「黄昏の丸の内」と揶揄されるまでにぎわいを失ってしまった丸の内だが、2002年の丸ビル完成を契機に街の整備を活発化した。その結果、現在では東京を代表するビジネス・ショッピングエリアとして復活を遂げている。そんな丸の内を訪れた客を、今後再開発が本格化してくる大手町エリアまで引き込むことができるかどうか。大手町の玄関口に位置するOOTEMORIの成否にかかってきそうだ。
 

猪澤 顕明 会社四季報オンライン 編集長

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いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、テレビ局勤務を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。

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