病院長らが徳田ファミリーに反旗 特捜部による強制捜査で揺れる徳洲会

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短時間で慌てて作成をしたためか、決起文に記された病院名には誤りが多い。「湘南藤沢病院」は「湘南藤沢徳洲会病院」、「榛原徳洲会病院」は「榛原総合病院」、「古河徳洲会病院」は「古河病院」、「鎌ケ谷徳洲会病院」は「鎌ケ谷総合病院」の誤り

「私たちは、徳洲会を崩壊・破滅させるこのような行為に対し、また命令で選挙違反に従事させられた職員にさらに犠牲を強いるようなこのような行為に対し、強く抗議するとともに、この方針には決して与しないことを表明します」

9月29日、ついに徳洲会グループの病院長らが徳田虎雄氏とそのファミリー、鈴木隆夫・一般社団法人徳洲会理事長ら一部の幹部に対して反旗を翻した。同日、関東、東北の徳洲会グループの病院長、有志16人が都内のホテルに集まり、弁護士も交えて会合。その後、「徳洲会グループの再生を願う有志の会」の病院長らは、グループ職員ら関係者向けに声明文を送付した(上写真)。

「宣戦布告」をした虎雄氏

「このような行為」とは、徳田虎雄氏を始めとするファミリーや一部幹部たちの無責任な上にまったく反省をしない、保身とも受け取れる行為である。

9月17日から始まった東京地検特捜部による強制捜査は、東京本部と湘南鎌倉総合病院から、親族宅や関係会社、グループのブロックごとの主要病院などにも及んだ。そうした最中、9月21日午後に湘南鎌倉総合病院に徳田ファミリーに近い幹部が集まり話し合ったが、別室からその様子を見た虎雄氏がそこに現れて「検察を訴える。徹底的に争う」と宣言。反省の意を表明するどころか、特捜部に「宣戦布告」をしてみせた。

その場に集まっていた幹部は反論することもできず、虎雄氏の言いなりとなり、9月28日、29日の両日、幕張で開かれる予定だったグループの経営セミナーも開催しなかった。ある関係者によれば、「一般社団法人徳洲会の鈴木理事長ら幹部の責任を問われかねないことから、開催を見送った」とみられている。鈴木理事長らはいまだに事件に関する正式な説明を、グループの病院長や職員らに対して行っていない。

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